大飯原発訴訟、京都地裁判決へ 地震安全性と避難計画が争点
大飯原発訴訟、京都地裁判決へ 地震安全性と避難計画

京都府の住民らが関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めなどを求めた訴訟の判決が14日、京都地裁(斎藤聡裁判長)で言い渡される。主な争点は地震に対する安全性や避難計画の実効性だ。原告は約3400人規模の大型集団訴訟で、提訴から13年を経て示される司法判断が注目される。

提訴の経緯と原告の主張

2011年の東京電力福島第一原発事故後、再稼働した大飯原発について、住民らは関西電力に運転停止、国と関電に提訴から停止まで毎月1人1万円の損害賠償を求めて2012年に京都地裁に訴えを起こした。訴状では原発の永続的な制御は不可能で、事故で甚大な損害が発生することが明らかになったとし、原発事故を踏まえたものだった。計約3400人が提訴し、昨年9月の第48回口頭弁論で結審した。

地震安全性をめぐる争点

地震に対する安全性について、原告側は専門家の断層などに関する見解を踏まえ、周辺ではマグニチュード(M)8級の直下型地震が発生しうると主張。関西電力が設定した「基準地震動」(想定される最大規模の地震の揺れ)は過小だとした。一方、関電側は基準地震動について、陸や海域の詳細な調査を行い、最新の知見に基づいて設定されていると強調し、「基準地震動を超えることは考えられず、適切だ」と反論した。

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避難計画の実効性

自治体などの避難計画について、原告側は「実効的な避難計画でなく、具体的な危険がある」と主張。京都府北部の大雪や台風などの災害によって道路が通行止めになりうるとした。これに対し、関電側は「そもそも放射性物質の異常放出に至る事態に陥るとは考えられない」と指摘した上で、自然災害に関しては「発生を想定し、復旧作業など具体的な対策が多重的にとられている」とした。

損害賠償と国の立場

損害賠償請求では、原告側は「大飯原発は致命的な欠陥があるのに国は再稼働を容認し、原告の人格権などを侵害した」と訴えた。国側は「原告側は抽象的な恐怖感などによる権利侵害の訴えにとどまる。重大事故が起きる具体的な危険性も認められず、原告側に切迫した危険は生じていない」と反論。関電側も原子力規制委員会が定めた新規制基準に適合し、安全性が十分に確保されているとし、いずれも訴えを退けるよう求めた。

過去の判決との関係

原発に関する司法判断では、仮処分の場合は差し止め決定でただちに原発を止める効力が生じるが、今回は正式裁判のため、判決確定まで効力は生じない。大飯原発を巡る訴訟では、2014年に福井地裁が運転の差し止めを命じる判決を出したが、2018年に名古屋高裁金沢支部が取り消した。住民が国の原子力規制委員会による設置許可の取り消しを求めた訴訟では、2020年の大阪地裁判決は設置許可を取り消したが、2025年5月の大阪高裁判決は国側の逆転勝訴とした。

大飯原発の概要

大飯原子力発電所は若狭湾沿岸に立地し、3号機は1991年、4号機は1993年に運転を開始した。それぞれ118万キロワットの発電量があり、1基あたりでは関西電力で最大。30キロ圏には京都府内では舞鶴市など計4市1町が含まれている。1、2号機は廃炉が決定している。

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