中国国境付近で土石流と洪水が発生したネパールで29日、作業員が閉じ込められているとみられるトリシュリ3A水力発電所の坑道に、送気のためのパイプを挿入することに成功した。
送気開始、掘削作業へ
スーダン・グルン内相は声明で「小さな開口部を通じてすでに送気を開始した。これから掘削作業を始めて救助隊を内部へ投入する」と発表した。
災害発生から数日が経過した現在も、トリシュリ3Aおよび3Bの坑道内には100人以上の作業員が閉じ込められている可能性があり、当局は対策を急いでいる。
被災者の悲痛な訴え
被災地から救助された人々は、行方不明となったままの親族の安否を焦燥感の中で待つとともに、ゼロから生活を再建しなければならないという現実に対面している。
ヌワコット郡でAFPの取材に応じたブディ・ラム・ダンゴルさんは「川沿いの集落はすべて流されてしまった。何も残っていない」と語った。
現在、救助活動のための拠点として使われている軍基地には、被災者名簿が掲示されており、多くの人々が情報を求めてここを訪れている。
真剣な表情で名簿を見ていたカルカ・シャルダさんは「息子を探しにここに来た。息子は水力発電所の作業員だったが、名前が見当たらない。当局も何も教えてくれない」と不安げにAFPに訴えた。
行方不明者3000人近く
広大なエネルギーインフラプロジェクトが存在するこの地域で、ネパールの防災当局は、行方不明者の中に933人の水力発電所作業員と、トレッキング客やチベットの聖地カイラス山を目指すヒンズー教の巡礼者を含む517人の外国人が含まれていると発表した。
被害者はネパールおよび中国・チベット自治区の双方で報告されており、これまでに691人の遺体が収容されている。行方不明者は3000人近くに上っている。



