奈良県は、ツキノワグマが冬眠前に餌とするドングリなどの堅果類について、主な生息地である県南部地域での豊凶調査の結果を「凶作」と発表した。餌不足の影響で人家近くにクマが出没する可能性が高まるため、県は警戒を呼びかけている。
調査方法と結果
県森林技術センター(高取町)が8~10月、吉野川以南の標高が高い地域で、ミズナラ(18地点)、ブナ(17地点)、コナラ(13地点)について、各10本の木の樹冠1平方メートルあたりの結実数を調査した。その結果、ミズナラとコナラは結実がほとんどない地点が多く「凶作」と判定。ブナは「凶作または並作下」とされた。
目撃情報と人身事故
県内では今年度、クマの目撃情報が167件(20日時点)あり、過去最高だった昨年度の155件をすでに上回っている。6月には下北山村寺垣内でけが人が出ており、今月17日にも同村上池原の山林で、ダムの堰堤のための作業中だった男性土木作業員がクマに襲われ、重傷を負った。
注意喚起
餌を求め、県南部以外にも活動範囲が拡大する恐れが高まっている。県農業水産振興課は「餌となる果樹や生ごみを放置せず、登山などで訪れる時は音の出るものを携帯するなど十分に注意してほしい」と呼び掛けている。