熊本県で最大震度7を観測した地震から、18日で3週間となる。発災直後から懸念されているのは、災害規模からは考えにくいほど多くの災害関連死が発生する「関連死爆発」とでも呼ぶべき事態だ。
避難者数約1万人、関連死の上振れ警戒
今回の最大避難者数は約1万人。同規模の平成19年新潟県中越沖地震では、災害関連死は4人だった。一人一人の犠牲を防ぐことは大前提だが、同時に、こうした規模から見込まれる水準を大きく上回る関連死にも警戒が必要だ。
平成30年西日本豪雨では、災害規模からみて災害関連死が際立って多く、80人以上に達した。背景には、30度台前半の厳しい暑さの中での避難生活や、浸水した自宅の片づけなど水害特有の厳しい復旧作業があったと考えられる。今回の熊本では、それを上回る30度台後半の猛暑が続く。同じような「上振れ」を起こさないための警戒が必要だ。
関連死の数、10年前と単純比較せず
災害関連死の数の受け止め方にも注意が必要だ。今回の災害関連死を、10年前の熊本地震の「223人」と単純に比べるべきではない。当時の最大避難者数は約18倍。仮に今回20人の関連死が発生しても、災害規模に照らせば、深刻な事態と受け止めるべきである。
異変を早期に捉え、対策を
では、「関連死爆発」をどう防ぐか。発災直後には、死亡事例として表面化する前の小さな兆しを捉えることが重要だと指摘されてきた。発災から3週間を迎える今は、震災前とは異なる生活が続く中で、被災者に新たな異変が生じていないかを見る必要がある。
過去の災害では、発災からしばらくたって関連死に至る事例も、その経過は多様だ。余震への不安や慣れない生活環境、医療・介護環境の変化、家族の介護負担の増加などを背景に、食欲や体力の低下、持病の悪化などを経て関連死に至った事例が確認されている。
今回も、避難所を出たり、自宅に戻ったりしたからといって、生活が震災前に戻るとは限らない。大切なのは、一人一人について、震災前から何が変わり、今、何が負担となっているのかを見ることだ。
発災から3週間。関連死の全体像は、まだ見えない。これからは、被災者に重くのしかかる震災前にはなかった負担と、それに伴う異変に目を配る必要がある。そうした負担や異変を早く捉え、手を打つことが、関連死の深刻な増加を防ぐ手がかりになる。



