再審制度、78年ぶり見直し改正法成立 公布後3カ月以内に施行へ
再審制度78年ぶり見直し 改正法成立 公布後3カ月以内施行

刑事裁判をやり直す再審制度の見直しを目的とした刑事訴訟法改正案が17日、参院本会議で可決、成立した。与党などの賛成多数による採決で、立憲民主党、国民民主党、公明党、共産党は反対した。改正法は公布から3カ月以内に順次施行され、5年ごとに制度のあり方を検討する。

78年ぶりの改正、その背景

現行の刑事訴訟法は1948年に制定されて以来、再審制度の見直しは行われておらず、今回が初めてで78年ぶりとなる。法務省は長らく改正に消極的だったが、2024年に静岡一家殺害事件で死刑が確定していた袴田巌さん(90)が再審無罪となったことを契機に、法改正の検討を開始。2025年に法制審議会(法相の諮問機関)に見直しを諮問し、今年2月に答申を得て法案をまとめた。

再審格差と証拠開示の課題

刑事訴訟法には500条を超える規定があるが、再審手続きに関するものはわずか19カ条に過ぎない。通常の裁判で開示されなかった証拠を検察に提出させるルールが存在しないため、担当裁判官の熱意によって再審開始の可否が左右される「再審格差」が指摘されてきた。特に証拠開示が進まず審理が長期化し、冤罪被害者の救済が遅れることが問題視されていた。

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修正を重ねた法案

自民党の事前審査で批判を受け、法制審を経た基本法としては異例の3回にわたる修正が行われた。再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)は「十分な根拠」がある場合にのみ可能とされ、法務省は「原則禁止」と説明。国会では衆院で付則が一部修正されたが、微修正にとどまり、参院では修正なく可決された。証拠開示ルールについては、自民党の事前審査を含めてほとんど前進しなかった。

反対派の懸念

立憲民主党など反対した各党は、無罪につながる証拠が埋もれる恐れがあると指摘。改正法では審理の迅速化を図る一方で、証拠開示の不十分さが冤罪救済の妨げになるとの懸念が根強い。専門家からは「再審格差が解消されないまま、手続きだけが進む」との声も上がっている。

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