高校入試のデジタル出願が19都府県に拡大 併願制導入は2府県のみで課題も
高校入試デジタル出願19都府県に 併願制は2府県のみ

公立高校入試でデジタル出願が19都府県に拡大 2027年度には倍増の見通し

大学入学共通テストで本年度から導入されたデジタル出願が、公立高校入試においても19の都府県に広がっていることが明らかになりました。朝日新聞社が実施した調査によってこの実態が判明し、現在中学2年生が受験する2027年度入試では、導入地域が倍近くに増加すると見込まれています。

教員と受験生の負担軽減が主な目的 一方で併願制の拡大には課題

デジタル出願の導入には、教員や受験生の事務負担を軽減する目的があります。しかし、国が検討しているデジタル出願と組み合わせた併願制の拡大については、広く導入しているのはわずか2府県に留まっている状況です。学校群制度や合同選抜などの歴史的経緯から単願制を採用している地域も多く、併願制の導入には戸惑いの声も上がっています。

47都道府県調査で浮き彫りになった多様な出願方法

朝日新聞社が昨年6月から7月にかけて実施した調査では、全47都道府県の教育委員会から回答を得ました。その結果、都道府県立高校入試の出願方法は以下のように多岐にわたることが分かりました。

  • デジタル出願を完全導入済み:13都道府県
  • 一部でデジタル出願を導入済み:6都道府県
  • 中学教員が書類をまとめて高校へ持参:27都道府県
  • 中学教員が書類をまとめて高校へ郵送:24都道府県
  • 生徒自身が書類を持参:4都道府県
  • 生徒自身が書類を郵送:4都道府県
  • その他の方法:4都道府県

なお、この調査では複数回答が可能であったため、合計が47を超えています。

歴史的背景が影響する併願制導入の難しさ

デジタル化の流れが加速する一方で、併願制の普及には依然として高いハードルが存在しています。過去の学校群制度や合同選抜の経験から、単願制を維持する地域が少なくありません。教育関係者からは「制度変更による混乱を懸念する声」や「地域の実情に合わせた慎重な検討が必要」との意見も聞かれます。

デジタル出願の拡大は確実に進んでいますが、それに伴う入試制度全体の改革には、まだ時間がかかりそうです。教育現場では、技術革新と伝統的な制度の狭間で、最適なバランスを模索する日々が続いています。