鹿児島県、2026年度当初予算案を発表 総額9207億円で2年連続増額
鹿児島県は2月10日、2026年度一般会計当初予算案を総額9207億2400万円と発表しました。これは前年度当初比で8%増となり、2年連続の増額となります。予算案は、農林水産業などの「稼ぐ力」の向上、人材の確保・育成、子育て支援を柱とし、物価高対策や県産品の輸出拡大、防災対策の充実・強化も重要な施策として盛り込まれています。県議会定例会に提案され、審議が予定されています。
歳入と歳出の詳細分析
歳入面では、県税が歳入全体の18.5%を占め、前年度比1.2%増の1704億6100万円となる見込みです。賃上げによる課税総所得金額の増加で個人県民税が増え、企業業績の好調さから法人県民税と法人事業税も増収が見込まれます。物価高の影響で地方消費税も増収が見込まれる一方、自動車税環境性能割の廃止により自動車税は減収の見通しです。県債残高は36億円減の1兆556億円となる予定です。
歳出では、職員の給与引き上げや定年引き上げに伴う退職手当の増加により、人件費が9.9%増の2588億3000万円となります。扶助費は障害者介護給付や後期高齢者医療対策などで増加傾向にあり、4.4%増の1511億8300万円を計上。普通建設事業費は特別支援学校の新設や中央児童相談所一時保護所の整備などにより、8%増の1506億1700万円を見込んでいます。
「稼ぐ力」向上に向けた継続的な事業推進
予算案では、農林水産業、観光業、企業向けに継続的な事業を推進するため、3月補正予算案と一体的に編成されています。事業費は、農林水産業向けに155億円、観光業向けに35億円、企業向けに110億円を計上しました。
農林水産業では、高収益作物への転換を図るための農業機械導入支援や、県産和牛の認知度向上のための経費支援、農業用ハウスの長寿命化支援などを行います。また、世界的に需要が高まる茶の競争力強化のため、生産者や茶商らによる検討会を設置し、「かごしま茶振興ビジョン(仮称)」を策定する事業費も計上されています。
観光業では、鹿児島ならではの地域資源を生かした体験プログラムづくりへの支援や、宿泊事業者の省力化・デジタルトランスフォーメーション(DX)化、人材の確保・育成支援を計画。企業向けでは、新たな産業用地の確保に向けた準備事業や、県内中小企業のDX化推進のための人材育成支援事業などが盛り込まれています。
物価高対策と子育て支援の充実
物価高対策として、「物価高高騰等総合緊急対策」に154億円を計上し、国の交付金などを活用して生活者や事業者の負担軽減、県内産業の賃上げ環境整備に取り組みます。賃上げ環境の整備では、企業の生産性向上や販路拡大支援、インバウンド促進のためのSNSプロモーション強化などが含まれます。
子育て支援では、「結婚、妊娠・出産、子育ての希望がかなう社会の実現」費として585億円を計上。遠方の産科医療機関での妊婦健診や出産費用の補助、県内限定で保育士業務ができる「地域限定保育士」の資格試験実施などが計画されています。
塩田知事のコメントと今後の展望
塩田知事は記者会見で、「人口減少の中でも鹿児島が中長期的に稼いでいけるよう、販路開拓やAIなどを生かしながら効果的に県民の暮らしを向上させる予算を心がけた」と述べました。この予算案は、地域経済の活性化と持続可能な成長を目指す姿勢を明確に示しています。