残業時間の削減や有給取得の推進、ハラスメント研修の実施、定期的な1on1ミーティング――。こうした取り組みを進めているにもかかわらず、若手社員が体調を崩して次々と退職するケースが増えている。人事担当者や中小企業の経営者からは「残業は減らしたのに」「有給もちゃんと取らせているのに」といった切実な声が聞かれるという。
表面上はホワイトなのに退職が続出
従来、若手が体調を崩す職場といえば、月60時間を超える長時間労働や常態化した休日出勤、強い叱責がある「ブラックな職場」がイメージされがちだった。しかし現在は、表面上はホワイトに見える企業でも「心や体の不調による退職」が発生している。
実態として、残業時間は以前より減少し、上司もコンプライアンスを意識して昔ほど叱らなくなった。それでも若手が「もう無理です」「体調を崩しました」と突然会社を離れていく状況がある。
若手の「体調退職」は6年で急増
筆者が代表を務めるウズウズカレッジのグループ会社UZUZがまとめた「Z世代における『退職・転職理由』の実態レポート(2020年~2026年上半期)」(有効回答数34686)によると、若手の体調不良を理由とした退職は6年間で急増している。現場のキャリアアドバイザー(CA)へのヒアリングでも、この傾向が確認されている。
企業が見るべき「3つのポイント」
本稿では、この逆説的な状況について、調査データと現場CAの声をもとに考察する。企業が注目すべきポイントは3つあり、いずれも表面的な労働環境の改善だけでは捉えきれない部分に焦点を当てている。
職場の不健康さを測る難しさも指摘されており、単なる制度の導入や数値目標の達成では、若手の心身の不調を防ぐことはできない。組織全体の問題として捉え、より本質的な対策が求められている。



