「東大生は社会に出たら使えない」と言う人が見落とすたった一つの力
「東大生は社会に出たら使えない」と言う人が見落とす力

「東大生って、勉強はできるんだろうけどさ、社会に出たら使えないよね」――東大生としてメディアに出るようになってから、この言葉を100回以上は言われてきたと、西岡壱誠氏(一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事)は語る。ネットのコメント欄でもよく見かける表現だ。

西岡氏は、この言葉に対して長い間うまく反論できなかったという。なぜなら、「確かに、そうかも」と思う場面が東大の中にたくさんあったからだ。

同級生には、高校時代から一日中机に向かって勉強してきた「絵に描いたような優等生」タイプが多く、頭は切れる。数学の難問を一瞬で解き、記憶力もすごい。しかし、LINEで簡単な用件を送っても返信が1週間返ってこないことがある。無視されているのかと思って直接会うと、真剣に「どう返せばこの人のためになるだろう」「軽く返して失礼にならないだろうか」と考え込み、フリーズしてしまっていたという。社会に出たら明らかにマイナスに働く。上司からのメッセージに1週間かけて完璧な返信を書く新人が評価されるわけがない。

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コミュ力がないのは自然の結果?

西岡氏は、東大生のこうした行動について、コミュニケーション能力が低いというより、彼らが「考えることを最優先する習慣」を持っているからだと分析する。受験勉強で培った「じっくり考える」姿勢が、仕事のスピードが求められる場面で足かせになる。

しかし、西岡氏は「即戦力にはならないが、遅れて効いてくる力」があると指摘する。それが「問いを立てて、深く考える力」だ。表面的な対応ではなく、本質を捉えようとする姿勢は、長期的には大きな価値を生む。

「使える/使えない」の二択をやめたい

西岡氏は、新刊『地頭力の正体』で「本当の頭のよさ」を説いている。東大生が社会で「使えない」と言われる一方で、彼らが持つ「問いを立てる力」は、組織に新たな視点をもたらす可能性を秘めている。即戦力かどうかだけで判断するのではなく、長期的な視点で人材を評価する必要があると訴えている。

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