東大生が「社会に出たら使えない」と言われる原因について、一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事の西岡壱誠氏が考察している。
コミュニケーションの筋力不足は認める
西岡氏は、東大生はコミュニケーションの筋力が弱いため、社会に出た直後は正直あまり使えないという事実を認めている。しかし、彼らは「問いを立てて深く考える力」を6年、8年と積み上げてきているという。
この力は新人時代には評価されにくい。新人に求められるのは素早い返信や明るい挨拶、飲み会での立ち回りだからだ。だが、5年、10年と経つうちに蓄積が効いてくる。企画や経営判断、複雑な問題解決が必要になったとき、「問いを立てる筋力」を持つ人と持たない人の差は決定的に開く。
陸上選手がサッカーを始めるのに似ている
西岡氏は、これを陸上競技の選手がサッカーを始めるのに例える。陸上経験者はサッカーを始めた瞬間、足元の技術が全然ダメでパスも回せず、「使えない」と言われる。しかし、90分走り続ける持久力は明らかに高く、その基礎体力は時間をかけて技術を身に付ければ最後には圧倒的な武器になる。東大生も同様で、即戦力ではないが遅れて効いてくる力を持っている。
「使える/使えない」の二択をやめたい
西岡氏は、「東大生は使えない」と切って捨てる人にも「東大生こそ最強」と持ち上げる人にも、人の能力は単純に「使える/使えない」の二択で決まるものではないと伝えたいという。「今は使えないが時間が経てば強みになる力」を見落とす人が多く、逆に「今は使えて見えるが伸びしろのない力」もある。この「見えにくいが長期的に効いてくる力」こそが「地頭がいい」と呼ばれるものの正体だと西岡氏は考えている。
東大生を評価するのも批判するのも、5年後、10年後の姿を見てからでも遅くない。西岡氏は、「東大生って社会に出たら使えないよね」という言葉は評価を下すのが少し早すぎるだけだと述べている。



