強豪校の学生寮で深刻ないじめ、加害者親は責任を学校に押し付け…運営リスク増大の実態
強豪校寮でいじめ、加害者親が学校に責任転嫁…運営リスク増大

キャリア・教育の現場で今、深刻な問題が浮上している。強豪校の学生寮で発生したいじめ問題において、加害者の親が責任を学校に押し付ける事例が相次いでいるのだ。学校にとって、寮や部活動の運営が大きなリスクとなりつつある実態を、新刊『カスハラ化する保護者たち』の著者である西岡壱誠氏が解説する。

実は静かに減っている「学生寮」

意外に思われるかもしれないが、学生寮は全国的に減少傾向にある。大学レベルでは、京都大学や東北大学、金沢大学などの国立大学で寮の廃止や縮小が相次いでいる。短期大学でも一定割合が寮の廃止を予定している(日本学生支援機構(JASSO)「文部科学 教育通信 No.423『学生寮の現在』」)。

理由は建物の老朽化、入寮希望者の減少、運営コストの問題など複合的だが、もう一つ見落とせない要因として、「寮を運営すること自体が、学校側にとって極めて重い責任リスクを伴うようになってきた」という事情がある。何かが起きたときに学校が引き受けなければならない範囲が広がりすぎていると判断する学校が増えているのだ。

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24時間管理は不可能だという前提

学校の責任範囲をめぐる議論の中で、近年特に難しい論点として浮上しているのが、寮や合宿、長時間拘束される部活動といった「閉じた空間」をめぐる責任の所在だ。教室での出来事であれば、目撃した教員も多く、責任の範囲もある程度明確になる。しかし、生徒が24時間生活する寮や、夜遅くまで続く合宿の中で起きたことは、誰にとってもブラックボックスになりがちだ。

問題が表面化した後、加害側の保護者が学校に持ち出したのは想定外の主張だった。写真はイメージ(ペイレスイメージズ1(モデル) / PIXTA)。

「責任を引き受けない」という選択肢

どこまでが「学校の責任」で、どこまでが「家庭の責任」か。この線引きが曖昧なまま、保護者からの過剰な要求が増加している。学校側は、リスクを回避するために、寮の廃止や部活動の縮小といった「線を引く」動きを加速させている。

全部学校から「線を引く学校」へ

結果として、学校は教育の場としての役割を縮小し、安全管理に重点を置かざるを得なくなっている。この傾向は、生徒の成長の機会を奪う可能性もはらんでおり、今後の教育の在り方に一石を投じている。

(この記事は、西岡壱誠氏の新刊『カスハラ化する保護者たち』の内容を基に構成しています。全4ページのうち、1ページ目を掲載。続きは次ページ以降でお読みいただけます。)

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