不登校の子を登校に導く「学びの多様化学校」の取り組みと教育の工夫
不登校の子を登校に導く学びの多様化学校の取り組み

不登校から登校へ導く「学びの多様化学校」の実践

東京都足立区にある東京みらい中学校は、不登校経験のある子どもたちを対象に、独自の教育プログラムを展開している。同校は文部科学省が認定する「学びの多様化学校」(いわゆる不登校特例校)であり、通信制ではなく通学を前提とした普通中学校である。学校法人三幸学園が設立・運営しており、その豊富な教育リソースを活用している点が大きな特徴だ。

圧倒的なキャリア教育の時間数

東京みらい中学校では、キャリア教育に特に力を入れており、通常の学校と比較して非常に多くの時間を割いている。この充実したプログラムを実現できる背景には、運営母体である三幸学園の存在がある。三幸学園は大学や短期大学に加えて、全国に60以上の専門学校を運営しており、その専門学校の教員が直接来校し、多様な職業についての説明や専門的な講義を行うことができる。

定野氏(仮名)は次のように説明する。「先生だけでなく、専門学校の学生も一緒にやってきます。この進路をなぜ選んだのか、今何を考えているのか、生徒に直に話してくれます。生徒にとっては、より身近な感覚で、キャリアについて学べています。これができるのは、三幸学園と関係がある中学だからです」。

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個別最適な教科学習の仕組み

不登校を経験した生徒は、学習の遅れを抱えている場合が多い。東京みらい中学校では、一斉授業だけに頼らず、生徒一人ひとりの理解度や学習状況に応じた柔軟な授業形態を採用している。室町氏(仮名)は次のように語る。「授業形態は単元目標や学習内容によって異なり、一斉授業をベースに全体で共通の学びを進める場合もあれば、生徒1人ひとりの理解度や学習状況に応じて自由進度学習の要素を取り入れながら進める場合もあります。とくに学力差や登校状況に幅があるため、常にどちらか一方の形態で固定するのではなく、『全体で学ぶ場面』と『個々のペースで学ぶ場面』を組み合わせながら、生徒それぞれが学びにアクセスできるよう工夫しています」。

さらに、毎日午後1時30分から45分までの15分間、「ちょこトレ」という時間が設けられている。これは英語・数学・国語の3科目に絞り、生徒が自分の伸ばしたい科目を習熟度に合わせたAIドリルなどでトレーニングするものである。

「チャレンジスペース」による段階的な支援

登校できても教室にいられない生徒のために、「チャレンジスペース」と呼ばれる3つの教室が用意されている。1つ目は学び直し用のスペースで、数学や英語などが段階的に学べるプリントが準備され、生徒は必要に応じたレベルまで戻って学習できる。2つ目は個人学習用のスペースで、パネルで仕切られた個別ブースがあり、それぞれのペースで学べる。オンライン授業を受けている生徒もいる。3つ目はリラックスできるスペースで、心身の安定を図る役割を果たしている。

これらの取り組みにより、東京みらい中学校は不登校の子どもたちが無理なく学校生活に復帰し、将来のキャリアを考える力を育む場を提供している。

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