東京都足立区にある東京みらい中学校は、文部科学省が認定する「学びの多様化学校」として、不登校の子どもたちを登校に導くための独自の取り組みを進めている。同校では、リラックススペースの設置やチーム担任制、全授業のオンライン配信など、二重三重の工夫を凝らしている。
リラックススペースで休息も可能
教室の一角には、授業に耐えられなくなったり疲れたりした生徒が休憩できるリラックススペースが設けられている。これにより、生徒は無理せず学校生活を続けることができる。
チーム担任制で柔軟に対応
それでも登校できない生徒には、担任が家庭訪問して相談に乗る。不登校の原因が担任自身であるケースも少なくないが、室町氏は「チーム担任制をとっているため、その生徒と相性の良いスタッフが訪問する。保護者から『○○先生に来てもらえますか』と連絡があれば、それに合わせる」と説明する。
みらい中学では、1年生は54人の生徒を3クラスに分け、8人のスタッフがチームを組む。2年生は36人で2クラスに6人、3年生は45人で2クラスに6人という体制だ。チームで対応することで、学習面も含めた幅広いサポートが可能となっている。
なぜ通信制ではなく学びの多様化学校なのか
同校では全授業をオンラインで配信しており、どうしても登校できない生徒は自宅で受講できる。それなら通信制も考えられるが、運営母体の三幸学園は通信制高校も展開しているものの、みらい中学は通信制を選択しなかった。その理由を室町氏は「日本の制度として中学の通信制はない。通信制の中学は増えているが、それはフリースクールのくくりでしかない」と語る。
フリースクールの場合、地域の中学に在籍しながら通信制中学で学ぶことになり、出席認定は在籍校の判断となるため手間が生じる。しかし、文科省認定の「学びの多様化学校」であれば、出席認定や成績評価を自校で行えるという利点がある。
卒業後の進路も順調
みらい中学を卒業した生徒の多くは全日制の高校に進学しており、今のところ高校で不登校になった生徒はいないという。同校は開校3年目で手探りの部分もあるが、「発想の転換」を基盤に新たな中学校の形を模索しており、生徒の可能性の拡大につながっている。普通の学校も見習うべき点があるかもしれない。



