子どものデジタルデバイス利用や家事分担、お金の使い方――思春期の子どもにどう教えればよいのか悩む親は多い。アメリカで30年以上暮らし、教育現場で多くの子どもを指導してきた冷泉彰彦氏が、『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』(SBクリエイティブ)で、自立した人間に育てるための実践的なアドバイスを提供している。同書から一部を抜粋・編集してお届けする。
子どものSNS使用、海外の対応
近年、子どものデジタルデバイス使用に伴うSNS乱用が大きな問題となっている。アメリカでは日本より遅れ、2015年前後から議論が活発化。ヨーロッパでは事態を深刻視し、15~16歳未満のSNS参加を禁止する動きも出ている。具体的には、同年代同士の陰湿ないじめや仲間はずれ、匿名の大人との接触リスクが指摘されている。ヨーロッパではこれらの問題を非常に深刻と捉え、子どものSNS全面禁止に踏み切っている。
アメリカの場合はどうか
アメリカでは、全面禁止ではなく、家庭ごとにルールを設ける傾向が強い。多くの家庭で実践されている3つのルールを紹介する。
子どもに守らせる3つのルール
- デバイスの使用時間を制限する:1日1~2時間など、明確な時間制限を設ける。
- プライバシー設定を徹底する:SNSのアカウントは非公開にし、見知らぬ人からのメッセージを受け取らないようにする。
- 親が定期的にチェックする:子どものSNS活動を定期的に確認し、問題があれば話し合う。
子どもに家事を分担させる
自立を促すためには、家事の分担も重要だ。アメリカの家庭では、年齢に応じた家事を割り振り、責任感を育てる。例えば、10歳前後では皿洗いや部屋の掃除、12歳以上では簡単な料理や洗濯などを任せる。これにより、子どもは生活スキルを身につけるとともに、家族の一員としての自覚が芽生える。
お金の使い方をどう学ばせるか
お金の教育も思春期の重要なテーマだ。アメリカの家庭では、お小遣いを与える際に、使途を記録させるなどして予算管理の基礎を教える。また、欲しいものがある場合は、自分で貯金して購入することを推奨する。こうした経験を通じて、子どもは金銭感覚を養い、計画的に行動する習慣が身につく。
思春期に教える「予算管理」
さらに進んだ教育として、中高生には家族の予算管理を一部任せる家庭もある。例えば、食費や光熱費の予算を子どもに伝え、1週間の買い物を計画させる。これにより、子どもはリアルな経済感覚を身につけ、将来の独立に向けた準備ができる。冷泉氏は、こうした実践的な教育が「自立した人間」を育てる鍵だと強調している。



