死産子犬を食べる母犬の本能…美濃柴犬の出産に立ち会った高校生たちが直面した命のリアル
死産子犬を食べる母犬の本能…美濃柴犬の出産に立ち会った高校生

岐阜県立大垣養老高等学校の「美濃柴犬研究班」に所属する生徒たちが、同校で飼育されている母犬「杏子」の出産に立ち会い、死産した子犬を母犬が自ら食べるという衝撃的な光景を目の当たりにした。この出来事は、生徒たちに命の厳しさと野生動物の本能について深く考えさせる機会となった。

出産直後に起きた衝撃的な出来事

出産が始まり、生徒たちは杏子の様子を注意深く見守っていた。数頭の子犬が無事に生まれた後、突然、杏子が何かを素早く飲み込む行動を見せた。その場にいた弥玲(みれい)ちゃんが異変に気づき、慌てて他の生徒や顧問の藤木先生を呼んだ。しかし、皆が駆けつけた時には、その「謎の物体」はすでに杏子の胃の中に消えていた。

藤木先生は、出産の様子を録画していた映像を生徒たちと一緒に再生し、確認することにした。何度も再生して検証した結果、杏子が食べたのは、未熟児として生まれ、すでにおなかの中で死亡していた「四号」の子犬である可能性が高いと結論づけられた。「未熟児だった四号かな…すでにおなかの中で死んでいて、死産だったのかもしれない」と藤木先生は語った。

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野生動物の本能としての行動

死産したわが子を母親が食べるという行為は、野生動物の世界では一般的な行動である。死体がその場に残っていると、そのにおいによって天敵が寄ってきて、生まれたばかりの生きている子犬たちが襲われる危険性がある。母親は、自分が産んだ子を守るために、死体を隠す必要があり、その手段として自ら死体を食べることで、においを消し、危険から守るという本能的な行動をとる。

しかし、人間と長く共生してきた犬では、このような行動は現在ではほとんど見られなくなっている。特に、長い歴史の中で人間によって品種改良が進められた犬種が、杏子のような行動をとることはまずない。ところが、日本犬はオオカミの血を濃く引いており、ほとんど改良されていないため、本能的にこのような行動をとることがあるという。藤木先生は「ぼくたち日本犬は、ほとんど改良されず、野生オオカミの血を濃く引くことから、本能的に杏子のような行動をとることもある」と説明した。

生徒たちが直面した命のリアル

この出来事は、生徒たちにとって非常にショッキングなものであった。特に、実際にその場面を目撃した弥玲ちゃんはかなり落ち込んでいた。しかし、この経験を通じて、生徒たちは命の尊さと同時に、その厳しさを学ぶこととなった。研究班の活動は、単に犬を飼育するだけでなく、生命の循環や自然界の掟について深く考える貴重な機会を提供している。

美濃柴犬は、日本にわずか300頭ほどしかいない希少な犬種であり、その保存と繁殖は重要な取り組みである。生徒たちは、杏子とその子犬たちの世話を通じて、命の重みと向き合いながら成長している。

死から学ぶたくさんのこと

この経験は、生徒たちにとって死から学ぶ多くのことをもたらした。命の誕生の喜びだけでなく、死と向き合うことの意味、そして生き抜くための本能の力について考えるきっかけとなった。研究班の活動は、今後も続き、生徒たちは杏子とその子犬たちを見守りながら、さらなる学びを深めていくことだろう。

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