岐阜県立大垣養老高等学校の「美濃柴犬研究班」に所属する生徒たちが、出産に立ち会う中で、死産した子犬を母犬が食べるという本能的な行動を目の当たりにした。この経験は、命の厳しさと向き合う貴重な学びとなっている。
母犬の本能が示す命のリアル
美濃柴犬は全国にわずか300頭ほどしかいない希少な日本犬だ。同校の研究班は、この美濃柴犬の保護と繁殖に取り組んでいる。今回、生徒たちが出産に立ち会った際、生まれた子犬のうち1頭が死産となった。すると母犬は、その遺体を食べるという行動に出た。
これは母犬が自分の子どもを守るための本能的な行動であり、野生下では捕食者を引き寄せないため、また栄養補給のために行われることがある。しかし、生徒たちにとっては衝撃的な出来事だった。
2度の死を経験した生徒たち
研究班の六期生は、これまでに2度の子犬の死を経験している。1頭は昨年、生まれて間もなく敗血症で亡くなった。そして今回の死産だ。生徒の一人は「2頭ともぼくの赤ちゃんだった」と語る。命の輝きだけでなく、一度もこの世界を見ることなく消えていく命があることを、生徒たちは身をもって学んでいる。
児童文学作家の今西乃子氏は、「そこから何を学び、何を考えるのか、それは消えていった命にしか伝えられない大切なメッセージだ。四号さんの死も決して無駄ではない」と述べている。
美濃柴犬研究班の取り組み
美濃柴犬研究班は、絶滅の危機にある美濃柴犬の保存と普及に取り組んでいる。生徒たちは犬の飼育や繁殖、しつけなどを学びながら、命の大切さを実感している。譲渡する子犬にはあえて名前をつけず、愛情だけでなく責任を持って育てる姿勢を大切にしている。
同校の取り組みは、地域の理解と協力を得ながら続けられている。美濃柴犬の歴史は戦時中の悲劇を乗り越えたものであり、その命をつなぐ活動は、次世代への重要なメッセージとなっている。



