愛媛大留学生の8割が県に愛着、就職・進学希望は3割 NPO調査
愛媛大留学生8割が県に愛着、就職希望3割 NPO調査

愛媛大学の留学生らを対象にしたアンケート調査で、卒業後も引き続き県内で就職や進学を希望する留学生は約3割であることが分かった。一方、生活環境の良さや人の温かさなどを理由に約8割が県に魅力を感じている。調査をまとめたNPO法人・松山さかのうえ日本語学校(松山市)は「愛媛に愛着を持っている留学生は多い。県内に残って就職、進学してもらうためには、企業や行政がサポートを充実させていくことが重要だ」と指摘している。

調査の概要と結果

調査は、留学生の支援などに取り組む同NPOが今年2~3月、留学生の進路ニーズを把握する目的で初めて実施。インドネシアやパキスタン、ネパールなど14か国・地域の留学生ら44人が答えた。

「卒業後に希望する進路」を尋ねたところ、他県での就職・進学が計23%と約4分の1を占めた。松山市内は計20%、県内は計9%だった。松山市内を含めた県内での就職・進学の希望は「来日前に考えていた希望進路」の回答(計32%)と比較すると3ポイント減少した一方、県外への転出希望(計16%)は7ポイント増加した。

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県外を希望する理由は「県内で仕事が見つからない」「就業環境の難しさ」などの回答があったという。

愛媛で働く魅力

一方、他の大都市と比較して愛媛で働くことについては計77%が「非常に魅力的」「やや魅力的」とした。理由として「物価の安さ」や「気候の良さ」「人の温かさ」を挙げている。

同NPOの山瀬麻里絵代表理事は「県内の留学生に対する支援はまだまだ手薄。留学生と企業を結ぶマッチングの充実や、日本語でのコミュニケーションに不安を感じている留学生をサポートする取り組みがあれば定着につながるのでは」としている。

留学生の体験談

愛媛大学大学院生のナワル・カレムさん(28)は県内での就職を希望するようになった一人だ。当初はなじめなかったが、日本語で話せるようになったことがきっかけになったという。

栄養学を学ぶためパキスタンから来日し2022年9月から同大で学んでいる。日本語が話せず、買い物や銀行の手続きなどを英語でやり取りしていた。うまくコミュニケーションが取れず苦労し、「毎日のように『早く帰りたい』と口にしていた」と振り返る。

転機になったのは約1年半後。研究室と食堂を往復する生活を変えようと始めたアルバイトがきっかけだった。接客で必要になったこともあり、苦手だった日本語を同僚や友人から少しずつ学び、日常生活でも使い始めると環境が一変。英語ではあまり話してくれなかった日本人学生が積極的に交流してくれるようになり、学ぶ意欲も出てきたという。

修了後は、研究職の道に進みたいというナワルさん。外国人向けの県内企業の採用案内や、なじみのない日本の就職活動に対するサポートがあれば、より県内での就職がしやすくなるのではという。「愛着のある愛媛で専門分野の知識を深めたい」と意欲を語る。

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