子育て中の親御さんなら、わが子が「同じ本を何度も読む」「途中まで読んでやめる」といった読書のクセに心配になったことはありませんか?脳科学者の成田奈緒子先生が、小学生の表現力アップにつながる本の選び方と、おすすめの本20選を紹介します。
読書は成果を求めすぎないで
小学校に入ると、勉強の評価が気になり、「読める」「読めない」を判断しがちです。しかし成田先生は、この時期こそ読書を成績と結びつけすぎないことが大切だと指摘します。特に低学年の子どもは、文字を追うだけで精一杯。内容を深く理解できていなくても自然なことで、「ちゃんと読めているの?」と確認されると読書が負担になります。
この時期に重要なのは、最後まで読めるかどうかではなく、「また読みたい」と思えるかどうか。同じ本を何度も読む、途中でやめる、好きな場面だけ繰り返す――これらはすべて、本と良い関係を築いている証拠です。本の中の出来事を自分の体験と結びつけて話し始めたら、「そう思ったんだね」と受け止めてあげてください。
表現力アップにおすすめの本20選(一部抜粋)
『どうぶつ句会』(対象:小1~)
動物たちが詠む俳句は、迷作や駄作から秀作、名句まで様々。俳句は音数制限と季語必須のルールの中で、物事を例えたりリズムや韻を工夫する言葉遊びの側面もあり、思わず一句ひねりたくなります。
『くまのパディントン』(対象:小3~)
ある日突然ロンドンにやってきた礼儀正しいくまのパディントン。いくつもの小さな事件に巻き込まれながら街の人気者に。くまが人間の言葉を話し、人間社会で振る舞うことを誰も不思議に思わないユーモアあふれる物語。
『ドリトル先生アフリカゆき』(対象:小3~)
井伏鱒二が紡ぐ美しい言葉の数々は、一文一文を味わう喜びを教えてくれます。最近使われる機会が減った言葉に出合えるのも、子どもの表現力を広げます。
『シートン動物記1』(対象:小2~)
動物が人間の言葉を話したり心情が直接描かれたりせず、行動やしぐさから気持ちを想像しながら読む力が育ちます。
『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』(対象:小1~)
ワクワクするストーリーとダジャレや言葉遊びが子どもの心をつかみます。シリーズを何冊も読むことで、文字情報から登場人物のディテールを自分で作り上げ、抽象概念の形成にも役立ちます。
※本稿は『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。



