床がゴミに埋もれた20代女性の部屋
関西で一人暮らしをする20代の女性。その部屋は、想像を絶する光景が広がっていた。洋室に入ると、床は完全にゴミに埋もれ、窓にかけた黒いカーテンの前までペットボトルの層が積み上がり、その圧力で窓ガラスには亀裂が入っていた。キッチンには生活ゴミに交じって大量のマスクがあり、コロナ禍で特に増えたゴミの一つだ。
ベランダに放置されたゴミは、風と紫外線にさらされて劣化し、原型を留めないほど粉々になっている。放り出された服は、雨に濡れ、日に乾くことを繰り返し、強烈な臭いを放っていた。ゴミ山の中には電子レンジやトースターがあり、食べかけのものも放置されている。
「人に会えなくなったから散らかった」わけではない
作業にあたったスタッフは「結構(ゴミは)多いほうな気はします。個人的には久々の多さですね」と語る。イーブイに寄せられるゴミ屋敷の片付け依頼は、一人暮らしの住人からも多い。スタッフは「昔は家族で住んでいたけれど、今は一人。一人になった途端に片付けられなくなる、という方が多いんです。遠方から出てきて、身近に相談できる人がいなくなると、自分ではどうしようもできなくなってしまうのではないかと」と分析する。
当時、コロナ禍で人と会う機会が減ったことで部屋が荒れていったと語るゴミ屋敷の住人は多かった。今回の依頼主である女性も「コロナ禍で友人を自宅に招けなくなり、片付けのきっかけを失った」と語る。現場のスタッフも「人が来るとなると、片付けなあかんというスイッチが無理やりにでも入りますよね」とその感覚を理解する。
専門家が指摘する「本当の孤独」
だが、二見氏は必ずしもそうだとは見ていない。「人に会えなくなってゴミ屋敷になったんじゃなくて、ゴミ屋敷になったから人に会えなくなった。順番が逆なのではないかと」と指摘する。つまり、孤独が原因で部屋が荒れるのではなく、部屋が荒れた結果、人を呼べなくなり孤独が深まるというのだ。
この日の作業はスタッフ計5名。ワンルームで狭いながらも、4時間ほどはかかる見込みだ。二見氏は「なぜそうなったのか、人はあとから理由をつけたがる」と続け、表面的な言い訳の裏にある本当の孤独に目を向けるべきだと訴える。



