日本一遭難の多い山は標高599mの高尾山、低山ブームで注意喚起
日本一遭難の多い山は高尾山、低山ブームで注意喚起

日本一遭難の多い山は標高599mの高尾山だというデータがある。都道府県別山岳遭難発生状況を見ると、日本アルプスを抱える長野県や富山県、岐阜県、山梨県、静岡県に交じり、高い山がない東京都や神奈川県、兵庫県、滋賀県、三重県などが上位にランクされている。

また、茨城の筑波山、栃木の古賀志山、岐阜の金華山、京都の愛宕山、兵庫の六甲山系、福岡の油山など、全国各地の低山で遭難事故が多発しているという報道・報告もある。山の標高別にどれぐらいの遭難事故が発生しているかを全国的に調査したデータは存在しないが、低い山でもかなりの遭難事故が、もしかしたら標高の高い山にも匹敵するぐらい多くの事故が起きているのは間違いなさそうである。

遭難当事者から得た教訓

ブームによって、これまでアウトドアに縁のなかった老若男女が、身近な低山に足を運んで自然に触れるのはとてもいいことだ。それを一過性で終わらせるのではなく、趣味、レジャー、スポーツとして長きにわたって楽しんでもらえれば、なおさら嬉しく思う。

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だが、低山といえど山は山であり、山特有の、あるいは低山ならではのリスクがそこかしこに存在する。それを認識せず、「標高の低い山=安全な山」という先入観を持って低山に登ろうとした結果、ケガを負ったり、呆気なく命を落としてしまったりするのは、あまりに悲しい。

そうした現実を知ってもらい、低山での遭難事故防止の一助になればと思い、拙著『低山遭難』を執筆した。執筆にあたっては、実際に低山で遭難した当事者に取材して、「そのときなにが起きたのか」を聞き取っている。読者はそれを読むことで事故を追体験することになる。過去に起きた事故から得る教訓は、万が一、自分が同様の状況に陥った際のよき指針になるはずだ。

低山の定義

ところで低山の定義についてだが、統一的な基準は設けられていない。巷では「標高1000メートル以下」を低山とする説が流布しているようである。しかし、「標高1100~1200メートルの山は低山ではない」とするのには、個人的には違和感があり、「いや、やっぱり低山でしょ」と思う。1300メートルはちょっと微妙なところであり、1400メートルとなると、中級山岳に入る気がする。

ちなみにあくまで個人の感覚的な定義だが、1500~2500メートルは中級山岳、それ以上は高山と位置付けている(一般的に森林限界は2500メートル前後)。そこで拙著および本連載では、「標高1200メートル以下を低山とする」と定義して事例をピックアップした。これは、月刊誌『山と溪谷』2024年11月号の「決定! 日本百低山」という特集で定めていた選定条件に準じている。

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