与党の委員会が北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪間を「小浜・京都ルートの桂川案」とする方針を決めた15日、福井県内では安堵の声が聞かれた。50年以上待つ鉄路の誘致に、再び青信号がともった形だ。福井県は早期着工への働きかけを強める方針を示している。
小浜市民の安堵と期待
「ひと安心。小浜のまちづくりにとって大きな希望だ」。小浜市で誘致活動をしてきた桂田定樹さん(61)はルートの決定に胸をなでおろした。一方で「10年前に決まっていた話。こんなに時間が必要だったのかと素朴な疑問は残る」とも語り、長年の曲折を振り返った。
桂田さんは10年前に与党のプロジェクトチーム(PT)が「小浜・京都ルート」と決めた時はちょうちん行列で祝ったが、その後に再検討になった経緯を指摘。「認可・着工まで本当の安心はできない。早く槌音(つちおと)が聞きたい。それに尽きる」と早期実現への思いを語った。
半世紀にわたるルート決定の歴史
北陸新幹線の大阪へ至る最後のルートは、1973年に決まった国の整備計画で「小浜市付近」とされた。2016年には自民・公明の与党PTが、所要時間の短さや運賃の安さから京都市の地下を通る「小浜・京都ルート」にすると決めた。
しかし、京都市を中心に地下水などへの影響を懸念する声があがり、8割がトンネルとなる区間の建設費用が最大5兆円に膨らむ見通しにもなった。25年末には自民・維新の与党整備委員会で、建設費用が安く東海道新幹線に接続する「米原ルート」などを含む8ルートで再検討するとされた。
「桂川案」の選定と今後の展望
10日の整備委では絞り込んだ3案が検討され、15日には「小浜・京都ルート」でありながら京都市中心部の地下を南北に走って京都駅につなぐ「南北案」ではなく、京都市西郊に駅を置く「桂川案」が選ばれた。この案は小浜市を通るもので、50年以上にわたって地元が実現を求めてきたルートだ。
福井県は来年度にも認可・着工されるよう、各所への働きかけを強める方針。早期着工への期待が高まる一方、認可・着工までは予断を許さない状況が続く。



