千葉県の成田山新勝寺と香取神宮で2015年に柱などに油のような液体をかけたとして、建造物損壊罪に問われている米国在住の医師の男(63)の初公判が7月14日、千葉地方裁判所(椙山葉子裁判官)で開かれた。男は起訴事実を認め、「(油注ぎの命令は)聖霊様からきていると思っていたが、私の思い込みと勘違いだった」と述べた。検察側は懲役1年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求めて即日結審した。判決は8月6日に言い渡される。
事件の概要:2つの神社仏閣で油のような液体を塗布
起訴状によると、男は2015年3月25日、成田山新勝寺の総門柱3本(損害見積額約12万円)と、香取神宮の角柱やさい銭箱など(同約242万円)に油のような液体を塗るなどして損壊したとされる。被害総額は約254万円に上る。
男は米国に在住する医師で、事件当時は日本に一時帰国していたとみられる。検察側の論告によれば、男は遅くとも2012年から宗教行為の一環として、油のような液体を寺社に塗布する「油注ぎ」を全国で繰り返していたという。
検察の主張:身勝手な犯行と非難
検察側は論告で、男が寺社側に受け入れられない可能性を認識しながらも、自己の宗教的信念に基づいて犯行に及んだと指摘。「身勝手な犯行に及んだ」と強く非難した。また、長期間にわたって同様の行為を繰り返していたことから、計画性の高さを強調した。
弁護側の主張:油はごく少量、情状酌量を求める
弁護側は最終弁論で、「まいた油はごく少量だった」として情状酌量を求めた。男は最終意見陳述で「多大なるご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」と述べ、反省の意を示した。弁護側は執行猶予付きの判決を求めている。
今後の見通し:8月6日に判決
裁判は即日結審し、判決は8月6日に千葉地裁で言い渡される予定だ。男の「聖霊様からの命令」という主張がどの程度量刑に影響するかが注目される。宗教的動機による建造物損壊事件として、司法の判断が問われる。



