徳島県那賀町消防署の救急車が心肺蘇生のための救命器具を載せずに出動し、搬送中に心肺停止状態になった町内の50歳代女性に使用できなかったことが、同町消防本部への取材でわかった。女性は搬送先の病院で死亡した。病院は「病状から救命器具がなかったことが死亡に影響を与えたとは考えにくい」としている。
訓練後に器具を車内に戻さず
町消防本部によると、4月上旬、心肺蘇生の訓練のため、同署員が救急車に装備している手動式人工呼吸器が入った「蘇生バッグ」を車外に持ち出した。午前中に訓練は終了したが、車内に戻していなかった。
訓練があった日の午後、女性の夫から119番があり、救急車が出動。搬送中に容体が悪化して心肺蘇生が必要になった際、手動式人工呼吸器がないことに気づき、心臓マッサージを試みたという。容体悪化から数分後、近くの町立病院に搬送され、死亡が確認された。
再発防止策を徹底
町消防本部は事案があった後、予備の手動式人工呼吸器を追加し、訓練時に車内の資器材は持ち出さないことを徹底。町消防本部の湯浅雅仁消防長は「資器材の管理を徹底して再発防止に努める」と話している。



