「ゴミ屋敷」化の理由は本当の孤独…20代女性が語る片付けの順序と心理
ゴミ屋敷化の理由は本当の孤独…20代女性が語る

関西で1人暮らしをする20代の女性。その部屋に入ると、驚く光景が広がっていました。食品系のゴミを中心に、部屋中に山積みになった廃棄物。これは、「イーブイ片付けチャンネル」が手掛けた片付け依頼の現場です。ルポライターの國友公司氏が、この女性の「ゴミ屋敷」化の背景と、片付けのプロである二見氏の見解を詳報します。

「友達と会えなくて部屋が荒れた」と言うが…

女性は自らの部屋が荒れた理由について、「在宅時間が増えた」「ゴミを週に1度しか出せない地域だから溜まりやすかった」と説明します。しかし、二見氏はこれに疑問を呈します。「在宅時間が増えたのは事実だし、ゴミ収集の制限も影響はあるでしょう。しかし、それだけでこれほどの量にはなりません。人はなぜそうなったのか、あとから理由をつけたがるんです。でも、よく考えてみれば、他人を自分の家に呼ぶ機会って、コロナ禍前からそんなに多くないですよね。本当はそうじゃないのに、根本の問題に蓋をしてしまうんです」

女性の言い訳の裏には、本当の孤独が潜んでいる可能性があります。二見氏は、散らかっていく過程に順序があるように、片付けにも順序があり、多くの人はその順序を取り違えていると指摘します。

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「大切なモノから捨てる」という失敗

実家や自室を片付けるとき、多くの人は「いちばん大切にしているモノを思いきって手放せば、あとは勢いで全部捨てられるはずだ」と考えがちです。いちばん大切にしているモノは、部屋の中でも物量が多いからです。しかし、二見氏はこの順序こそが大きな間違いだと強調します。「大切なモノを捨てたから一気に捨てられるやろ、ではないんです。その順番が違う」

たとえば、文章を書くことを仕事にしている人間に「部屋を片付けましょう」と持ちかけ、いきなり本棚に並べられている大量の本から捨てろと迫ったらどうなるか。「もっとほかに捨てるモノがある」「なんでそこからなんだ」と反発するに決まっています。大切なモノから手をつければ、片付けそのものへの抵抗が強くなります。「これを捨てたんだから、ほかも全部捨てられるでしょう」という理屈は、当人の心をむしろ固く閉ざしてしまいます。

「捨てられるモノ」から捨てていく

では、どうすればいいのか。二見氏はこうアドバイスします。「“捨てられるモノ”から捨てていくんです。そうやって捨てることに慣れていけば、だんだん大切なモノに近づいたときに、ちゃんと冷静になって考えられるんです。これ本当にいるかな、って」

実際の片付け現場では、動線を確保するために玄関前の山から片付けていきました。食品系のゴミが多かった今回のケースでは、まず腐敗しているものや明らかに不要なものから手をつけ、徐々に判断が難しいものへと移行していきました。この順序を守ることで、依頼主の女性も抵抗感が薄れ、スムーズに片付けが進んだといいます。

ゴミ屋敷化の背景には、単なる生活習慣の乱れだけでなく、人間関係の希薄さや孤独感が影響しているケースが多いと二見氏は指摘します。片付けは物理的な作業であると同時に、心理的なハードルを乗り越えるプロセスでもあるのです。

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