再審制度を見直す改正刑事訴訟法が17日午前の参院本会議で可決、成立した。証拠開示の義務化や、再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)の原則禁止が柱となる。1948年に現行の刑訴法が制定されて以降、再審に関する規定の見直しは初めて。公布から1年以内に順次施行される。
証拠開示の義務化と罰則規定
現行法には、証拠開示など再審請求手続きに関する規定が乏しく、再審を開くかどうか決める審理だけで40年以上かかったケースもあった。新たなルールの下で、審理の迅速化が期待される。
改正法では、裁判所が当事者の請求を受け、検察官に証拠開示命令を出すことを義務化する。対象は「再審請求の理由に関連する証拠」で、その範囲が不当に狭くならないように留意するとした。現行法では、証拠の開示をどの程度促すかは裁判官の裁量次第で、検察官が開示に応じる法的な義務はなかった。
一方、開示された証拠を再審請求手続き以外の目的で他人に渡すことなどを罰則付きで禁じる規定も設けられた。
検察官の抗告原則禁止と審理期間の明示
裁判所が再審開始決定を出した場合、検察官の不服申し立ては「原則禁止」とし、「十分な根拠がある場合」に限って高裁や最高裁への不服申し立てを可能とした。不服申し立てをした場合、その理由は遅滞なく公表される。審理の長期化を防ぐため、不服申し立ての是非を裁判所が審理する期間を「1年以内」と明示した。
5年ごとの見直しと改正のきっかけ
改正法の付則には、法施行後5年ごとに制度の見直しを検討するとした規定も盛り込まれた。
今回の改正のきっかけは、66年の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(90)の再審無罪が2024年10月に確定したことだった。手続きの迅速化など制度改正を求める意見が強まった。



