再審法改正「諦めない」冤罪被害者ら、5年後の見直しに希望
再審法改正「諦めない」冤罪被害者ら、5年後の見直しに希望

再審制度を見直す改正刑事訴訟法が2026年7月17日に成立した。冤罪被害者や弁護士らは会見などで思いを語り、求めてきた形にはならなかったものの、5年ごとの検討規定に希望をつないだ。

袴田姉は「がっかり」も「諦めない」

静岡一家殺害事件で死刑確定から再審無罪となった袴田巌さん(90)の姉、秀子さん(93)はオンラインで会見に参加。「もう少しまともな改正をしてくれると思ったが、がっかり。法務省は私たちの方を向いていない」と述べた。その一方で、「巌だけが助かればいいと思っていない」と繰り返し、冤罪救済のための法改正に力を尽くしてきたことを強調。改正法について「良い証拠も悪い証拠も全部出してフェアに戦うべきだ」と持論を語った。

証拠開示の新制度に懸念

改正法は裁判所が検察に証拠の提出を命令する制度を新設したが、厳しい要件が設けられ、無罪につながる証拠が埋もれる恐れが指摘されている。滋賀県日野町事件で亡き父の再審を求めてきた阪原弘次さん(65)は「証拠の全面開示は大事な基本だった。納得していない」とオンラインで話した。しかし、施行後5年ごとに制度のあり方を検討するとされたことについては「最後まで諦めていない」と前を向いた。

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検察抗告の原則禁止も実効性に疑問

阪原さんの事件では、今年2月に裁判のやり直しが確定したが、検察が再審開始決定に対し2度の不服申し立て(抗告)を行い、審理に7年7カ月を要した。今回の改正で検察抗告は「原則禁止」とされたが、実効性が疑問視されている。阪原さんは「今ある波をさらに大きくしたい」と述べ、今後も抗告の全面禁止などを訴え続けるという。

前川彰司さん「敗北感がある」も希望

福井女子中学生殺害事件で再審無罪となった前川彰司さん(61)は取材に、「証拠開示は後退した部分があるのではないか。抗告の原則禁止にも抜け道が残っている。法改正とは名ばかりで、敗北感がある」と語った。その上で「再審制度に問題があることを世の中に示せた。5年後に光を見いだしたい」と次の改正に希望をつないだ。

法改正の背景と今後の課題

再審制度は1948年に現行法が制定されてから一度も見直されてこなかった。80年代に四つの死刑事件で再審無罪が相次いだ時すら法改正に至らなかったが、袴田さんの再審無罪が法務省を動かした。日本弁護士連合会(日弁連)は「立法府の責任は大きい」と指摘。冤罪被害者らは今後も5年後の見直しに向けて運動を継続する方針だ。

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