難病の息子描いた絵本、浜松市の小中学校に寄贈 母が願い込める
難病の息子描いた絵本を浜松市の小中学校に寄贈

国の指定難病「色素性乾皮症」を患う息子を題材にした絵本が、浜松市の母親によって制作され、市内の小中学校に寄贈された。太陽の光に当たると重度の日焼けや神経症状が現れるこの病気には有効な治療法がなく、6歳ごろから症状が出始めるという。

息子の日常を描いた絵本

絵本「うみちゃんとたいようのはなのひみつ」は、浜松市に住む新貝海陽ちゃん(5)の日常を描いたもの。防護帽をかぶって公園で自転車に乗る姿や、家族と楽しむ春の夜桜、夏の花火、秋のキャンプ、冬の雪遊びなどの場面が収められている。

制作を始めたのは2024年11月。母の真夕さん(38)は「多くの人に絵本を見てもらい、治療に携われるかもしれないという人が現れて、どうにか海陽の治療が進めば」と願いを込めた。治療法がないまま6歳の誕生日が近づく中、わらにもすがる思いで筆を執ったという。

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制作を通じて気づいた「幸せ」

当初は息子の完治を祈るだけだったが、制作が進むにつれて気持ちに変化が生まれた。講演活動や動画投稿サイト「ユーチューブ」で日々を発信すると、同じ境遇の家族から激励や共感の声が寄せられた。真夕さんは「海陽だけじゃない。多くの子どもたちが笑って過ごせる未来を作りたい」と願うようになった。

日々を振り返る中で、自分が幸せであることに気づいたという。「海陽のおかげで人生は豊かになった。今を生きるのが大変で苦しいと思っている人に、『自分なりの幸せを見つけよう』と思ってもらえたら」と語る。

クラウドファンディングで制作、市長に寄贈

制作費はクラウドファンディングで募り、約1年かけて完成させた。海陽ちゃんも色塗りを手伝った。絵本の帯には「太陽に当たれないけれど、いのちには限りがあるけれど、世界は100倍、楽しめる」と記されている。

今春には中野祐介・浜松市長を訪問し、市内の小中学校に本を寄贈。真夕さんは「絵本を読んだ子どもたちの人生を少しでも彩れれば」と話した。絵本の最後は「このせかいは キラキラが いっぱいだ!」という言葉とともに、防護帽をかぶった海陽ちゃんが自転車をこぎ出すシーンで締めくくられる。

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