大津市役所新庁舎のイメージ公開 佐藤武夫氏設計の現本館を解体し建て替え
大津市役所新庁舎イメージ公開、佐藤武夫氏設計の現本館を解体

大津市は、2032年度の利用開始を目指す市役所新庁舎の基本的なイメージをホームページで公開した。新庁舎は、戦後の著名な建築家・佐藤武夫(1899~1972年)が設計した現本館・別館を解体し、機能を移すもので、佐藤が創業した「佐藤総合計画」関西オフィス(大阪市)が市民の声を反映させながら設計を進める。

現庁舎の概要と解体の経緯

現在の市庁舎は本館、別館、第2別館、新館の4棟で構成されている。佐藤が手がけた本館(1967年築)と別館(71年築)は、国際学術組織が、内部の吹き抜け構造や琵琶湖を望む展望室などを「大津という歴史と自然に満ちた環境に対する、佐藤ならではの回答を読み取れる」と評し、「モダン・ムーブメントの建築」に選んでいたが、老朽化の進行に伴い、市が昨年8月に解体を決めていた。

新庁舎の計画と設計

市の基本計画では、本館近くの皇子山総合運動公園にある旧テニスコートや国体記念広場などの土地を活用し、敷地面積約1万5000平方メートルに6階建ての新庁舎を建設する。建設費は200億~245億円程度を見込んでいる。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

イメージは、佐藤総合計画が企画提案書で示したもので、学識者らで作る市の選定委員会が4月の審査で2案から絞り込み、市が5月に同社の提案を採用した。新庁舎の3階が、現新館と渡り廊下で結ばれ、市役所機能は2階以上に集約される。1階ピロティは駐車場となる。

市民デッキと防災機能

特徴の一つは、気軽に集える平面スペース「市民デッキ」が2、3階の屋外部分に張り出すデザインだ。現本館にも市民が憩える市民デッキがあり、同社は「市庁舎には、行政施設だけでなく市民の交流機能も必要だと考えた『武夫イズム』の継承につながれば」と説明する。

デッキ下は雨天でも利用できる「市民ひろば」となり、食堂やカフェのほか、市民が学習などに使えるスペースを備える。公園を訪れた人も使え、多目的グラウンドと隣接することから、グラウンドで行われるスポーツなどの観戦にも利用できる。災害時は、防災拠点としてグラウンドを給水や支援物資の受け渡しなどに活用し、市民ひろばなどで炊き出しもできるという。

今後のスケジュール

市は、市民約40人に新庁舎を活用したにぎわい作りなどを11月にかけて協議してもらう。同社は、そこで出たアイデアなどを踏まえて今年度中に基本設計をまとめ、27、28両年度に工事発注に向けた詳細な設計を作成する計画だ。同社の担当者は「市民の声をどのようにカタチにしていくかが肝になる。大きい期待にしっかりと応えたい」としている。

佐藤武夫は、名古屋市生まれ、早稲田大理工学部建築学科卒。大隈講堂を共同設計するなどし、早大教授を務めた後の1950年に設計事務所を設立、戦後復興期の多くの公共建築の設計を担った。日本建築学会長なども務めた。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ