就任後初めて長崎市の平和祈念式典に参列した高市早苗首相が、「非核三原則」をめぐり「我が国は、非核三原則を堅持しており」と述べたことについて、被爆者団体からは「将来にわたって堅持する考えが示されなかった」として、厳しい受け止めが上がった。
首相のあいさつと被爆者団体の反応
首相は式典で、鈴木史朗市長が平和宣言のなかで非核三原則の堅持を求めた後にあいさつに立ち、「我が国は非核三原則を堅持しており、長崎を最後の被爆地にという誓いの下、唯一の戦争被爆国の使命として、核兵器のない世界の実現に向けた現実的かつ実践的な取り組みを推進しています」と述べた。
式典後、原爆資料館を約15分間見学し、長崎市内のホテルで被爆者団体など7団体と面会した。
面会での要望と批判
長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(85)は、非核三原則の法制化や核兵器禁止条約への参加を要望したが、首相はこの場でも「我が国は非核三原則を堅持しております」と述べるにとどまり、核禁条約には触れなかった。
面会後、田中会長は「非核三原則を国是とも言わず、後退だ」と批判。長崎県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長(83)も「現状を説明しただけで、自らの考えを示さなかった。本音は別のところにあるのではないか」と疑問視した。
被爆体験者の訴え
また、国が定める被爆地域の外側で被爆した「被爆体験者」でつくる第二次全国被爆体験者協議会の岩永千代子会長(90)は面会後、あいさつに訪れた首相に対し、広島の「黒い雨」被爆者と同様に被爆者健康手帳を交付するよう訴えた。同協議会は被爆者団体ではないため、面会では発言が認められていなかった。



