動物保護団体から引き取ったばかりの犬2匹を立て続けに殺したとして、動物愛護法違反罪に問われて拘束されていた韓国籍の男(47)に、大阪地裁は8月、拘禁刑1年、保護観察付き執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。動物虐待は不起訴処分が多く、起訴された場合も公判は開かれず、罰金刑で終わる事件が大半。逮捕・起訴され、判決まで釈放されなかった今回は異例ともいえる。
「ペットの命軽んじた」初公判で起訴内容認める
逮捕から3カ月近くが過ぎた7月末。白いTシャツに灰色のスエットパンツ姿でうつむきながら入廷した細身の男は、初公判で起訴内容を認めた。「ペットの命を軽く見ていた。『やってしもた』という程度だった」。検察側に犯行後の心境を聞かれ、消え入りそうな声でこう答えた。
公判によると、男は大阪市内で妻や幼い子供らと暮らしていた。鬱病の治療中だといい、無職で生活保護を受給。前科はなかった。自宅では犬のほか、鳥やウサギ、ハムスターなどの動物も飼育していたという。
1匹は撲殺、もう1匹は蹴り殺し…事件の経緯
事件が起きたのは今年5月。1日に団体から引き取った保護犬を4日に殴って殺した。さらに7日に同じ団体からもう1匹引き取ると、わずか2日後に蹴り殺した。いずれも飲酒後で、ふんで部屋を汚したことに腹を立て、たたくなどした際に、手を嚙まれたことがきっかけだった。
男は被告人質問で、酒を飲むと「ブレーキが利かずキレてしまう」と認めた。犬の前にも飼っていたウサギを殴り殺したことがあったという。
妻の通報が逮捕のきっかけに
男が逮捕されたきっかけは、2匹目の犬を殺した際の妻の通報だった。妻は当時離婚まで考え、警察から事情を聴かれた際は夫への「厳しい処罰」を求めた。だが証人として出廷した法廷では一転、男を支える決意を述べた。事件後、犬に嚙まれた男の手の骨が折れていたことが判明したといい、「子供が嚙まれていたら大変なことになっていた」と男の怒りに一定の理解を示し、アルコール依存症の治療を受けさせることを約束した。



