公正取引委員会は近く、日本郵便に対し、フリーランス法違反を認定し、再発防止を求める勧告を出す方針を固めた。関係者への取材で分かった。業務を委託したフリーランスに取引条件を明示していなかったもので、違法な取引が常態化していたとみられる。
150人超に取引条件を明示せず
関係者によると、日本郵便はフリーランス法が施行された2024年11月以降、宅配物の配送業務や外部講師の研修などを委託したフリーランス計150人超に対し、支払期日などの取引条件を事前に書面などで明示していなかった。
報酬の支払期日を示していない場合は、業務や成果物の提供を受けた日がそのまま支払期限となる。日本郵便によると、一定の取引額を下回る取引については、フリーランスから請求書が届いてから支払いをしていた。公取委は支払い遅延も認定する模様だ。
本社と全国13支社で380件の違反
日本郵便は昨年9~10月、本社と全国13支社でフリーランス法への対応状況を調査。組織に属さず働くフリーランス223人との計380件の業務委託で、取引条件を文面で明示していなかった。全国に約2万ある郵便局は調査の対象外だった。
公取委は、日本郵便に郵便局についても調べて報告するよう求め、調査していた。ただ対象が膨大になるため、時間やコスト面を考慮して調査対象を絞ったとみられる。
郵便局では違反続く
日本郵便は本支社での違反事案を把握した後も、違反状況や改善策を郵便局に伝えておらず、郵便局ではその後も同様の違反が起きていたことが取材で判明した。日本郵便は報道後の昨年12月、郵便局でも違反を防止するために取引条件を明示するように、事務マニュアルの運用見直しを伝えた。今年2月に社内規定を改正した。
日本郵便は取材に「現在、公正取引委員会から調査を受けていることは事実です。社内研修などでフリーランス法の趣旨を社員に周知し、再発防止に取り組んでいる」と答えた。



