白タク勧誘「点呼なく好きに稼げる」、事故時は「研修中」と指示 中国籍元社長
白タク勧誘「点呼なく好きに稼げる」 事故時は「研修中」指示

個人運転手に事業用の緑ナンバーを貸して「白タク行為」をさせたなどとして、都市型ハイヤー会社「フェニックス国際」の元社長らが道路運送法違反(名義貸し、無許可営業)容疑で逮捕された事件で、同社元社長で中国籍の男(41)が運転手らに「うちは点呼がなく、自分の好きなように稼げる」と勧誘していたことが捜査関係者への取材で分かった。

同社では、運転手の健康状態や飲酒の有無を確認する法定の「点呼」を適切に実施していなかったという。警視庁は、安全運行のコストや時間を削って利益を優先していたとみている。

無許可営業と名義貸しの実態

発表によると、元社長の男は2~4月、雇用関係のない中国人運転手らに自社名義で登録した車両を使わせ、運送事業をさせた疑い。運転手らは無許可で運行した疑いがある。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

元社長は2024年2月に同社を設立。知人のつてなどを使って運転手を集めていた。同庁が確認したところ、同社名義の車両を使う中国人運転手は約20人いたが、多くは正規の雇用契約を結んでいなかった。売り上げの2割を名義使用料として元社長に渡し、ガソリン代やETC代は自ら支払っていたという。

中国人運転手らは自家用車を同社名義のハイヤーとして使用。中国のSNSや配車アプリで各自で客を集めていた。道路運送法では、運転手が車両を持ち帰ることはできないが、中国人運転手らは自宅を拠点に営業していた。乗務員を監督する運行管理者は元社長の家族で、管理はおざなりになっていたとされる。

事故後の指示と業界の反応

今年5月11日には、運転手の一人が客の送迎に向かう途中、川崎市内で女性の自転車に追突する事故を起こした。直後には、中国人運転手らが参加するグループチャットで、元社長から事故を起こした場合の対応について、警察に「研修中だった」と説明するよう指示があったという。

同庁は、営業中の事故をきっかけに、運輸局の監査対象となるのを避ける狙いだったとみている。

今回の事件を受け、業界も危機感を募らせる。約320社が加盟する一般社団法人「東京ハイヤー・タクシー協会」(東京都千代田区)の高橋哲哉専務理事(68)は「白タク行為は明らかな営業妨害で、旅客の安全をないがしろにする。業界の発展にも悪影響を及ぼすため、警察や行政と連携して撲滅を目指したい」と話した。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ