7歳で仏門に入った尼僧が開山した東京大恩寺
東京・足立区にある「東京大恩寺」は、ベトナム人技能実習生や在日ベトナム人の駆け込み寺として知られている。この寺院を開山したのは、ティック・タム・チー住職(尼僧)だ。彼女は7歳のときに自ら「どうしても入りたい」と願い出て仏門に入ったという異色の経歴を持つ。先日、同寺で行われた法要には数百人が集まり、ベトナム人コミュニティと地域住民の交流の場となった。
幼少期と出家の決意
タム・チーさんは1978年、ベトナム中部ザライ省に生まれた。9人きょうだいの末っ子で、ベトナム戦争終結直後の混乱期に育った。父は南部で働いていたが消息不明となり、母が女手一つで子どもたちを育てた。母は半日農業、半日は市場で野菜を売り、夜には必ず子どもたちを連れて寺に参拝した。その影響で、タム・チーさんは7歳のとき、母の反対を押し切って自ら出家を志願。ホーチミンシティの尼寺で修行を積んだ。
来日と支援活動
修行中に日本の吉水大智住職と出会い、日本の仏教に興味を持って来日。東日本大震災の際には被災したベトナム人を保護し、その後急増した技能実習生の支援に尽力してきた。タム・チーさんの活動に共感する日本人も増え、現在ではベトナム人から母のように慕われている。
地域住民の声
一方、地域住民からは「寺院建設に関する説明が不足していたのではないか」という意見も出ている。寺院の規模拡大や行事の増加に伴い、騒音や駐車問題などが懸念されている。タム・チーさんは「地域との対話を大切にしたい」と話し、今後も交流を深める方針だ。



