北海道大学で100年以上の歴史を誇る応援団の団員数がわずか4人に低迷し、活動を制限せざるを得ない状況になっている。団の存続に向け、団員たちは独特の伝統の見直しを含め、活動のあり方を模索している。
100年超の歴史と団員の減少
栗山町の町民球場で先月行われた札幌学生野球連盟2部秋季リーグ・北海道大―北海道医療大の一戦。三塁側の土手では、「北海道大学応援団」の団員4人がグラウンドの選手に向かって声をからしていた。
北大応援団の歴史は100年以上前にさかのぼる。団史によると、遅くとも1907年には同大では応援団が活動していたとされ、主に遊技会(運動会)や現在の小樽商科大学(小樽市)とのスポーツの試合で活躍。戦争の影響などで解散や再結成を繰り返し、現在まで、野球部などの試合の応援や入学式などの行事で演舞を披露している。
団員数は、90年代頃までは20~30人ほどで推移していたが、2000年代頃から徐々に減少し、近年は10人程度に。計7人でスタートした今年度は、8月に最上級生3人が引退し、2~3年生が3人、1年生が1人の計4人のみとなった。
活動への影響と新入団員募集
団員の減少は、活動にも影響を及ぼしている。土日に集中するため、現体制で本格的に活動を始めた9月以降、8件の依頼を断ったという。副団長の2年、大島渉さん(21)は「本意ではないが、応援に行くのは重要な試合に絞るなど、優先順位をつけて活動せざるを得ず、心苦しい」と話す。
現在も新入団員の募集を続けているが、ここ数年は毎年1人しか入団しない状況が続く。同応援団では、新入団員は約1年間、髪やひげを伸ばし続け、つぎはぎされた羽織を身にまとって応援する伝統があり、大島さんは「華やかな大学生活を想像する新入生にとって、受け入れられない部分もあると思う」と複雑な思いを打ち明ける。
初の女性団長と伝統の見直し
伝統ある応援団の声援は、多くの北大生の活動を後押ししてきた。野球部の2年木村圭佑さん(19)は「独自のスタイルで応援してもらうと『北大で野球をしている』と実感する。伝統を途絶えさせてほしくない」と話す。
同応援団では昨年、初めて女性団員が団長を務め、今夏の引退まで、北大創基150周年の活動を支えた。団員たちは今後、新入部員の勧誘活動に力を注ぎつつ、伝統のあり方なども話し合っていくという。
大島さんは「伝統は北大応援団らしさであり、守っていきたいが、時代にそぐわないものが『やりたくない』につながるのかもしれない。団を存続させ、大きくするために、どうしていくべきか考えていきたい」と話している。
小樽商科大学はV字回復
北大応援団が毎年、対面式(応援合戦)で対峙する小樽商科大学の応援団は一時団員数がゼロとなったが、伝統を見直し、V字回復した。
団後援会によると、2007年に団員不在となり活動を休止。OBらが協力して勧誘を行ったほか、新入団員がひげを伸ばし続ける伝統を見直し、女性や留学生の入団も解禁した。
その後、10年に4人が入団し、活動を再開。団のSNSアカウント開設や、表舞台に出ない「マネジャー」の新設などを進めた結果、今年度の団員は女子9人を含む計22人に増えた。改革に携わった後援会事務局長の小西一郎さん(62)は「母校の応援団を守りたい一心だった」と振り返る。
団長の4年、久保海音さん(21)は「伝統を大切にしつつ、どう今の時代に合わせていくか考えていきたい」と話している。