広島市信用組合の理事長を21年間務めた山本明弘(やまもと・あきひろ)氏が11日、死去した。80歳だった。葬儀は近親者と役職員で行われ、後日「お別れの会」を開く予定。
現場直視と信念貫く経営哲学
山口県出身の山本氏は2005年に理事長に就任。「世の中の流れと真逆(まぎゃく)でも、現場を直視し、信念を貫くほうが良い結果につながる」が持論だった。多くの金融機関が店舗網を縮小する中、顧客との接点を増やすため拡大路線を継続。迅速な融資実行を目指し、午前7時から役員会議を開き融資の可否を決裁。午前5時前に出社し、自ら融資先へ足を運ぶこともあった。
投資信託を扱わず増収
国が「貯蓄から投資へ」の流れを推進する中でも、顧客に損失を与える恐れがあるとして投資信託などの金融商品は扱わなかった。それでも組合はこの間、増収を続けた。全国信用協同組合連合会の会長も務めた。今年6月には経営の若返りを図るとして理事最高顧問に退いた。2024年4月から朝日新聞ひろしま版でコラム「真逆の男」を隔月で執筆していた。
惜しまれるリーダーの死
山本氏の死去は、広島の金融界に大きな衝撃を与えている。その独自の経営スタイルは、多くの金融関係者に影響を与えた。関係者は「信念を貫く姿勢は、組合員からの信頼を集めていた」と語る。後日開かれる「お別れの会」では、多くの弔問客が訪れるとみられる。



