大阪・関西万博の工事を巡り、下請け業者に工事費を水増し請求させ、自社に1000万円超の損害を与えたとして、大阪府警捜査2課は19日、背任容疑で、大手ゼネコン「竹中工務店」(大阪市)で万博関連工事の総括作業所長を務めた河井辰巳容疑者(61)=奈良市北市町=を逮捕した。府警への取材で分かった。
6000万円以上の利益か
関係者によると、河井容疑者は自宅や所有するマンション、親族が経営する飲食店の改修といった自身のプライベートの工事を、「万博関連工事費」として下請け業者から竹中工務店に請求させる形で、6000万円以上の利益を得ていた可能性があるという。
府警は19日午前11時ごろ、大阪市中央区の竹中工務店本社の家宅捜索を始めた。関連資料を押収し、実態解明を進めるとみられる。
逮捕容疑と万博工事の背景
逮捕容疑は昨年2月中旬~同年6月上旬、複数回にわたり下請け業者に水増し請求させ、竹中工務店に約1369万円の損害を与えたとしている。府警は認否を明らかにしていない。
大阪・関西万博は大阪市の人工島・夢洲を会場に昨年4月~10月に開催。2025年日本国際博覧会協会(万博協会)によると、大屋根リングとその周辺施設は3工区に分けて公募され、いずれも国内の大手ゼネコンなどが共同企業体(JV)を構成して落札。竹中工務店は約175億5500万円で落札された工区のJVの1社だった。
建設費の高騰と今後の対応
万博を巡る会場建設費は当初1250億円と想定されていたが、資材や人件費の高騰により令和5年秋に2350億円に膨らんだ。費用は国と大阪府市、経済界がそれぞれ3分の1ずつ負担している。
竹中工務店は「従業員が逮捕されたことは誠に遺憾。事態を厳粛に受け止め、警察による捜査に全面的に協力し、事実関係を確認した上で厳正に対処する」としている。



