レバレジーズは6月18日、同社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」による企業の障がい者雇用実態調査の結果を発表した。2026年7月に予定されている法定雇用率2.7%への引き上げを前に、すでに達成している企業と達成が困難な企業との間で、準備状況が二極化していることが明らかになった。
法改正に向けた施策の優先順位
法改正施行にあたり、企業が注力または検討している施策を尋ねたところ、最も多かったのは「社内研修・啓発」で42.0%だった。次いで「採用する障がい種別の拡張」と「新たな業務の切り出し・創出」がともに41.8%で続いた。
法定雇用率2.7%の達成状況別に見ると、すでに達成している企業の56.7%が「社内研修・啓発」に注力しており、達成困難企業との差は約23ポイントに上った。
社内リソースの不足感
施策推進にあたり社内リソース面で不足しているものについては、「特に不足しているものはない」と回答した企業は9.2%にとどまり、9割以上が何らかの不足を感じている結果となった。具体的には、「専門的なノウハウ・知見の不足」が50.5%、「現場の受入キャパシティ不足」が50.1%と、ともに5割を超えた。
特定短時間労働者の雇用状況
2024年4月1日以降に一部が法定雇用率の算定対象となった「特定短時間労働者」について、制度の認知度は97.1%だった。導入状況では、2.7%達成企業の64.3%が「雇用している」と回答した一方、2.7%の達成見込みが立っておらず困難とした企業では18.6%にとどまり、達成企業との間で約3.5倍の差があった。
外部支援サービスの活用
障がい者雇用の推進における外部支援サービスについては、37.1%が「活用している」と回答。「現在は活用していないが、活用を検討している」は42.9%で、全体の8割近くが外部支援に前向きな意向を示した。2.7%達成企業では、53.5%が外部支援サービスを現在活用している。
AIツールの活用状況
障がい者社員の業務におけるAIツールの活用状況については、「多くの障がい者社員が日常的に活用している」と「一部の障がい者社員が活用している」の合計が67.3%だった。AIツール導入による効果では、「生産性全体の向上」が51.1%で最多となり、「業務スピードの向上」が48.9%、「作業精度の向上」が46.3%で続いた。
専門家の見解
ワークリア事業責任者の津留有希子氏は、2026年7月の法改正を前に、すでに2.7%を達成している企業とそうでない企業との間で取り組みの二極化が進んでいると指摘。達成企業は特定短時間雇用や外部支援サービスを自社の状況に合わせて柔軟に活用しているとの見方を示した。
そのうえで津留氏は、専門的なノウハウや人員が不足する企業が自社だけで法改正に対応するのは容易ではない一方、外部にすべてを委ねる「丸投げ」では社内の受け入れ体制が育たず、数値目標の達成だけを目的とした一時的な雇用になりかねないと述べた。最初から完璧な体制を目指すのではなく、外部の専門家やテクノロジーを活用してまず担当者や現場のリソースに余裕を確保し、そこで生まれた時間とノウハウを社内研修や環境整備に還元していくアプローチが求められるとしている。
調査概要
調査は、2026年7月以降に雇用義務の対象となる従業員数37.5人以上の企業で、障がい者雇用実務に関与する担当者555人を対象に、2026年4月28日から30日にかけてインターネットで実施された。



