闇バイトで空き巣の実行役の少年らを集めたなどとして、窃盗罪に問われたリクルーター役の男に対し、大阪地裁で有罪判決が言い渡された。「脅され、人を集めただけ」――。男は公判で、より上位者の存在を明かし、当時は罪の認識がなかったと語った。しかし、闇バイトでよく聞かれる弁解は、今回の判決では酌み取られることはなかった。
事件の概要
男は大阪府河内長野市のアルバイトの被告(20)。今月16日の判決によると、被告は実行役の少年ら3人を含む複数の人物と共謀。3月26日夜、大阪市浪速区の集合住宅の一室で、玄関扉をバールでこじ開けて室内に侵入し、現金6万円を盗んだ。
公判で検察側は、被告が昨年末頃から、闇バイトのリクルーターをしていたと指摘。浪速区の事件は、氏名不詳の上位者から指示を受け、SNSのメッセージで「『ルパン』(窃盗)か『たたき』(強盗)の案件が入った。50万円の報酬を得られる」と少年ら3人を勧誘していた。
その後、メンバーには目出し帽や軍手の準備を指示し、事件当日には電車の切符を渡して別の「案内役」との待ち合わせ場所に向かわせたという。この実行役の一部が窃盗を目撃され、警察官に見つかったことが、摘発につながった。
警察の捜査により、被告はこの窃盗と別に、上位者からの指示で、窃盗の移動用の車に取り付けるためのナンバープレートを同市西成区の駐車場から盗んでいたことも判明した。
「脅された」弁解退けられる
被告人質問で被告はリクルート行為について、日頃からミナミの観光名所・グリコ看板近くにある遊歩道「グリ下」に出入りする中、昨年末、「ボス的存在」の人物にミナミでバイクの駐輪を巡って因縁を付けられ、免許証を撮影されて加担するようになったと説明。「従わなければ家族を殺す。家を燃やす」などと脅され、「逆らえないと思った」と述べた。
裁判官は判決で、拘禁刑2年6月、執行猶予4年を言い渡した。被害者に弁済がされたことは評価した一方、脅されていたとする立場については、「そうであったとしても警察に相談すればよく、大きく酌み取ることはできない」とした。
判決後、読売新聞は被告に取材を申し込んだが、「まだ捕まっていない人もいて、報復が怖く何も話せない」と応じなかった。
警察の呼びかけ
府警は闇バイトについて、特に若年層に対し、「脅されても、決して加担せずに相談を」と呼びかけている。夏休みシーズンに入るタイミングを踏まえ、今月17日には啓発イベントを開催。少年向けのLINEの相談窓口も常設している。
府警少年育成室の城島剛喜室長は「闇バイトはアルバイトではなく犯罪。警察は必ずあなたを守るので、立ち止まって相談する勇気を持ってほしい」と話した。



