野党議員の国会質問で名誉毀損、東京地裁が国に3回目の和解勧告
名誉毀損の国会質問、東京地裁が国に和解勧告

最高裁で名誉毀損(きそん)と認定された報道に基づく国会議員の質問について、東京地裁が国に対し、名誉毀損が確定した事実を国会議事録のウェブサイトに掲載するよう求める和解勧告を提示したことが分かった。憲法51条は、議員の国会での発言について国会外で責任を問われない「免責特権」を規定しており、この延長で名誉毀損が確定した案件でも議事録は修正されない仕組みになっているが、事態を重く見た裁判所が国に対応を強く求めた形だ。

発端は毎日新聞の記事と参院質問

発端は毎日新聞が令和元年6月11日朝刊1面に掲載した記事。政府の国家戦略特区に関するワーキンググループの座長代理を務めていた政策シンクタンク代表、原英史氏に関して「特区提案者から指導料、200万円会食も」との見出しと、原氏の顔を中心に置いた関係図を掲載した。

原氏は即座に不正な金銭の受領や会食接待を否定したが、当時の国民民主党の森裕子参院議員(現在は立憲民主党)が同年10月15日の参院予算委員会で毎日報道を基に質問。「(原氏が)国家公務員だったら、あっせん利得収賄で刑罰受けるんですよ」と述べた。

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最高裁で名誉毀損が確定、国は拒否を繰り返す

原氏は毎日新聞と森氏が名誉を毀損したとして損害賠償請求訴訟を起こした。国会での発言は憲法で免責されているため、森氏が国会質問で使用した資料をSNSで拡散したことによる名誉毀損にとどめた。6年1月に原氏への名誉毀損が最高裁で確定した。

この間、原氏は参院に議事録の修正などを働き掛けたが、反応はなかった。6年9月には国会で人権侵害に関する是正措置がとられていないことの違法性を問い、国を相手に賠償請求訴訟を提起した。

東京地裁は今年1月に最初の和解勧告を行い、名誉毀損の事実について「議事録を公開するウェブサイト上での注記」の掲載検討を国に求めた。だが、国は議事録の「不可侵性」を理由に拒否。原氏側は4月、自身に関する質疑を対象とした要求を断念した一方、サイト上の議事録に関する苦情申し立ての仕組みを国会に設けるよう再提案。東京地裁も今後に向けたルール整備の検討を求める2度目の和解勧告を行った。

これについても国は6月30日、「国会の活動への萎縮」などを理由に拒否したため、東京地裁は同日、最高裁判決が確定した事実について、議事録のサイトに掲載するよう国に検討を求める3回目の和解勧告を行った。検討の期限は9月8日となっている。

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