「年内の命」と言われた夫は、手帳に来年の予定をびっしり書き、「1日でも長生きしてやる」と病に宣戦布告する言葉を残していた。団塊世代として競争の海を泳ぎ切り、55歳で力尽きた。
最期の別れと大勢の弔問客
夫の亡きがらは、真夜中に職場の前を通り最後の別れをした。葬儀には葬祭場始まって以来の人数が集まり、弔辞を読む人や泣き崩れる人もいた。義母は「よくしてやってくれてありがとう」と語りかけた。
夫が教えてくれたこと
夫は定年後の夢を語り、準備を進めていた。無念さはあっただろうが、彼は感謝の言葉を口にして逝った。「命は不透明だから物事を先延ばしにするな」と教えてくれた気がする。
23回目のお盆
夫が会えなかった初孫は今年22歳になり、娘と同居して6年余り。23回目のお盆に、夫はご先祖様と共に帰ってくる。「おかえりなさい!」と迎えたい。



