日々の生活の中で体を動かすことが必ずしもストレス低減につながらない可能性が、山形大と明治大などの研究チームの調査で明らかになった。中高年約1万6000人を調べたところ、仕事や家事など余暇以外での身体活動量が多い女性ほど高いストレスを抱えやすい傾向が示された。
研究の概要と方法
研究成果は科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。研究チームは2010~15年、山形県内の7市に住む40~74歳の1万5688人を対象に、国内でよく使われている指標に基づく質問票を用いて調査を実施。余暇と余暇以外の場面ごとに身体活動の頻度・時間と強度を当てはめて量を算出した。
自覚的なストレスについては、「過去1年間でどのくらいのストレスを感じたか」を4段階で回答してもらい、最も高い「強く感じた」を高ストレスと定義。年齢や婚姻状況、病歴、喫煙や飲酒などの生活習慣による影響を除いた上で、身体活動量と高ストレスの人の割合の関係を分析した。
余暇活動の効果と男女差
ウォーキングや体操、スポーツなどの余暇での身体活動は、わずかな実践でも男女ともにストレス低減につながることが確認された。一方、仕事や家事、移動などの余暇以外の身体活動では、男女で異なる特徴が浮かび上がった。
男性は中程度までの活動量ではストレス低減につながるが、活動量がそれより高くなると高ストレスの傾向が見られた。女性では活動量が少ない段階から増えるにつれて高いストレスとなり、例えば活動量が多いグループでの高ストレス者の割合は、活動量が最も少ないグループの1.15倍ほどとなった。
対策と提案
研究チームは「仕事や家事で日常的に体を動かしている人も、短時間でいいので余暇に身体活動を取り入れることが大切」と提案している。趣味や運動など余暇での身体活動は、わずかな実践でもストレス低減につながっていることから、日常生活の中で意識的に余暇活動を組み込むことの重要性が示唆されている。



