26歳で難病を発症し、後に子どもを持つ夢を断念した梅津絵里さんが、「世界を目指すアスリート」として新たな道を歩み始めた。自身の経験を誰かの役に立てたいという思いを実現してきた梅津さんだが、2020年に再び人生が大きく揺れ動く。
退院から8年後、SLEが再燃
退院から約8年後の2020年、「全身性エリテマトーデス(SLE)」が再燃した。以前から抱えていた病気による腰の不調が悪化し、腰の治療に専念するため活動を縮小。腰の手術は成功したが、術後のリハビリ中にSLEが再燃したという。
梅津さんは再び意識を失い、ICUへ搬送された。約2週間後に意識を取り戻すも、朦朧とした意識の中で「あぁ、またか…って。せっかく前を向いて日々を送っていたのに、心底絶望しました」と振り返る。
「子どもを持つ」夢が打ち砕かれる
この時期、梅津さんは腰の治療だけでなく、これまで諦められなかった「子どもを持つ」という夢に向けて動き出していた。夫婦で話し合い、不妊治療を始めたばかりだったという。
「挑戦していないことを諦められないと思って、夫婦でたくさん話し合って、不妊治療を始めたばかりだったんです。でも、突然また自分の命が危ぶまれる状態になってしまって…。当然ながら、不妊治療は断念せざるを得なくなりました」
夫だけでなく、家族や病院にも相談し、子育てができる環境を整えた上で踏み出した不妊治療。しかし、病気は一瞬でその夢を打ち砕いた。
病気の再燃と子どもを持つ夢の断念という残酷な現実に、梅津さんは大きな悲しみの渦に飲み込まれた。しかし、前回の入院時とは決定的に違うことがあった。それは、「強烈な孤独感」を感じることがなかったことだ。時はコロナ禍、家族や友人が気軽に病室に来れない中でも、孤独を感じなかった理由が次ページで語られる。



