医師が教える失敗しないクリニック選びのコツと診療科表記の見方
医師が教える失敗しないクリニック選びのコツ

「どこのクリニックに行けばいいのかわからない」――体調不良や痛みがあって受診を考えたとき、そんな悩みを抱える人は少なくありません。ホームページの情報や口コミを見ても、何を基準に選べばよいのか迷ってしまうことも。実は、診療科の表記や医師の経歴、リハビリ体制など、医師だからこそ注目するポイントがあります。整形外科医の鞆浩康先生が、失敗しにくいクリニック選びのコツを解説します。

ホームページや看板で分かる「そのクリニックの得意分野」

体調不良があり、クリニックへの受診を考えたときに、「どこのクリニックに行けばよいのか」と迷う方は多いと思います。実際にクリニックによって専門性や治療方針の違いもあり、その後の治療経過や満足度に大きく影響します。今回は医師の立場(特に整形外科医)から、ホームページの見方も含めて、失敗しにくいクリニック選びのポイントをお伝えします。

まず最初に注目してほしいのは、ホームページや看板に書かれている診療科の記載順序です。一般的に、最初に書かれている診療科が、その医師が得意としている診療分野であるケースが多いです。例えば「外科・整形外科」と書かれている場合は、外科を専門としていた医師が整形外科も診察している可能性が高いです。同じように「小児科・内科」と書かれている場合は、小児科を専門としている医師が内科を診ている場合が多く、「内科・小児科」と書かれている場合は、内科を専門としている医師が小児科も診ている場合が多いです。また、「内科・循環器内科」など、後ろに細かい分野が書かれている場合は、循環器内科を得意としている医師が内科全般も診察しているケースが多いです。

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さらに、症状や疾患名から診断・治療内容を記載していることがありますが、その場合、医師が得意としている分野の内容が詳しくなっている傾向があります。また、医師のプロフィールを見ることも大切です。これまでにどの分野を専門として携わってきたかが分かりますので、必ずチェックしておきたいポイントです。

経歴の見た目だけで判断しない

ただし、ここで注意したいのは経歴の見た目だけで判断しないことです。大きな病院や有名な病院に勤務していたということは、あまり過信してはいけません。医師は大学病院からの派遣で人事が決まることが多いため、勤務先だけで医師の実力を判断することは難しいものです。

また、大学で教鞭をとっていた先生であっても、その分野の研究には詳しくても、研究実績と日常診療で重視される能力は必ずしも同じではありません。実際の診療では、患者さんの話をどれだけ丁寧に聞き、状況に応じて柔軟に判断できるかが非常に重要になります。

自分の症状に合ったクリニックを選ぶことが大切

医療はどんどん細分化されている傾向にありますので、自分の症状に対して、できるだけ得意とするクリニックを選ぶことが大切なポイントとなります。さらに自分の専門分野だけではなく、幅広い視点でアドバイスをしてくれるかも大切です。その場で解決できなくても、次回までに考えて提案をしてくれたり、柔軟に他の医療機関を紹介してくれるような、一緒に最善の選択肢を考えてくれる医師は、安心して長く付き合える存在です。

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整形外科は「通いやすさ」とリハビリ体制も重要

整形外科に関しては、特に通院しやすい場所にあることも大切です。整形外科では継続的なリハビリテーションによって、症状の改善を図るケースが多いからです。さらに理学療法士などリハビリテーションを行うスタッフが充実しているかも大切です。リハビリテーションの体制が整っているクリニックは、医師自身がリハビリテーションの大切さをしっかりと認識している場合が多いです。

症状が改善しないときは「セカンドオピニオン」も選択肢

さらに、なかなか症状が改善しない場合の対応も大切です。症状が思うように良くならないときは、思い切って違うクリニックに受診してみることも必要です。これはその医師の診察技術が低いという意味ではありません。同じ患者さんを長く診察していると、どうしても視点が固定されてしまい、新たな可能性に気づきにくくなることがあります。医師を変えることで別の視点からの診察が行われ、新たな発見があるケースも少なくありません。医療の現場には「後医は名医」という言葉があります。これは後から診た医師の方が優れているという意味ではなく、これまでの経過や検査結果がヒントとなり、より適切な判断がしやすくなるという意味です。

通院先の診療科が合っていないケースもある

実は通院している診療科が適切でない場合もあります。例えば、なかなか改善しない肩こりで整形外科に通院しており、実は内科の肺がんからの症状だったというケースもあります。このように複数の診療科で診てもらうことも大切になります。特に内科疾患は発見が遅れることで影響が大きくなることもあるため、気になる場合は早めに対応することをおすすめします。

最後は「医師との相性」が大きな判断材料

最後にお伝えしたいのは、結局一番大切なのは「医師との相性」です。どれだけ評判がいい医師であっても、自分が話しにくいと感じてしまえば、本来伝えるべき症状も十分に伝えられないこともあり、病気の見逃しにつながります。逆に安心して何でも話せる関係性があれば、より正確な診断や適切な治療につながりやすくなります。

クリニック選びは、自分の健康を預けるパートナー選びです。情報だけに頼るのではなく、自分の感覚も大切にしながら、「この先生なら任せられる」と思える場所をぜひ見つけていただけたら幸いです。