「肌は露出した脳」の衝撃:優しいタッチが親子のストレスを軽減する科学的理由
優しいタッチが親子のストレスを軽減する科学的理由

「肌は露出した脳」という衝撃的な表現をご存じだろうか。これは、皮膚への刺激が脳に直接影響を与えるという科学的知見を表している。やさしくふれることが、子どもの脳の発達によい影響を及ぼすことがわかっている(写真:わたなべりょう/PIXTA)。

タッチケアとオキシトシンの関係

タッチケアと「オキシトシン(愛情ホルモン)」の関係は、近年の脳科学や心理学でとても注目されている。オキシトシンは、脳の視床下部でつくられ、下垂体から分泌される、社会的なつながりに関わる神経伝達物質である(ホルモンとして体全体に影響すると同時に、神経伝達物質としても働く)。

あたたかくやさしくふれるタッチによって、脳内でオキシトシンの分泌が促される。オキシトシンが増えると、心と体がリラックスし、不安やイライラのもとになる「コルチゾール(ストレスホルモン)」が減るほか、「セロトニン(幸せホルモン)」の分泌を促し、抑うつを緩和する作用もある。さらに、信頼や共感の気持ちが高まり、人とのつながりも深まりやすくなる。そして、血圧や心拍を安定させる、痛みを減らす、自律神経を調整するなど、様々な利点があることがわかっている。

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赤ちゃんのときや幼児期のふれあいの大切さ

オキシトシンは、ふれられている側だけでなく、ふれている側にも分泌されるので、子育てにおいては、親子双方にとって心の安定やストレスの軽減など、嬉しい効果が期待できる。また、赤ちゃんのときや幼児期にたくさんふれられて育った子どもは、将来にわたってオキシトシンが出やすくなり、ふれあいや人との関わりに対して前向きな心をもちやすくなると考えられている。

赤ちゃんの脳は、生まれてからどんどん発達していくが、特に愛情のこもったタッチをたくさん受けた子は、脳の中にあるオキシトシンをつくる細胞が増えることがわかっている。赤ちゃんのときや幼児期にオキシトシンをつくる細胞が増えると、大きくなってからもオキシトシンのよい効果(安心感・信頼感・共感など)を得られやすくなるのだ。

「オキシトシン」の分泌を高める行動とは

では、具体的にどのような行動がオキシトシンの分泌を高めるのだろうか。研究によれば、ハグや背中をさする、手を握るなどのスキンシップが効果的だ。また、ペットとのふれあいやマッサージも同様の効果があるとされる。親子で過ごす時間の中で、意識的にやさしいタッチを取り入れることが、ストレス軽減と絆の強化につながる。

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