国立がん研究センター(東京)は14日、子どもや若者のがん患者を対象とした薬剤の臨床試験について、今月からオンラインで参加可能にすると発表した。遠方に住む患者や家族の通院負担を軽減する狙いがある。まずは鹿児島大病院で実施し、順次、協力病院を増やす方針だ。
分散型臨床試験の導入
オンラインを活用した臨床試験は分散型臨床試験(DCT)と呼ばれ、成人を対象とした試験はすでに各地で行われている。小児がんを対象とした取り組みは国内では先駆的という。国立がん研究センター中央病院が中心となり、患者の負担軽減と治療へのアクセス向上を目指す。
対象患者と治療内容
臨床試験の対象は、標準的な治療法がない、または治療効果が見込めなくなった0~29歳の患者。検査で見つかった遺伝子変異に効果が期待できる未承認薬などを投与する。先進的な治療を迅速に受けられる患者申出療養制度を活用し、承認に向けたデータを収集、効果や安全性を確認する。
これまで同センター中央病院や北海道大病院、九州大病院など6病院で実施されており、患者は研究担当医がいるいずれかの病院に通院していた。今月からは鹿児島大病院でオンラインを活用した参加が可能になる。
オンライン参加の流れ
オンライン参加の患者は、最初の1か月は中央病院に入院し、対象の薬を服用する。2か月目以降は鹿児島大病院に通い、中央病院の担当医がオンラインで患者の状態を診察し、研究の継続などを判断する。薬は2種類あり、中央病院から患者の自宅に郵送される。
国立がん研究センターは、この取り組みにより遠方の患者や家族の通院負担を軽減し、より多くの子どもや若者が先進的な治療を受けられる環境を整えたい考えだ。今後、協力病院を増やし、全国展開を目指す。



