「もう1人産む」では少子化は止まらない。人口が減り続ける日本に決定的に欠けた視点とは何か。独身研究家でコラムニストの荒川和久氏が、結婚しない人々の実像に迫る。
自治体の指標としてのCPMと無子率
各自治体においては、CPM(結婚人口比)と無子率という指標を活用することで、重点的な対策が変わってくる。もしCPMが極端に落ち込んでいるなら、子育て世帯への対応を強化する。無子率が大幅に上昇してしまっているなら、未婚化対応や若者の不安に向き合う必要がある。
全国的にも都道府県別的にも、2015年を底に無子率は急上昇している。連動してTFR(合計特殊出生率)も急降下している。子育て支援は否定しないし、それはそれでやるべきだが、すでに結婚して子のいる世帯にどれだけ手厚くしても、それがTFRの改善には直結しないという厳しい現実を直視すべきだろう。
20代の初婚率低下が最大の要因
では、無子率はどうすれば改善できるのか。もっとも大きな要素は未婚率の改善であり、初婚率の上昇である。再婚を含めた婚姻総数ではなく、初婚の増加がなければ未婚率は改善されない。そして、同時に、結婚をするのであればなるべく早いうちの結婚の実現が必要となる。
2000年から2024年にかけて、5歳別の女性の初婚率の増減と無子率増減とを比較すると一目瞭然である。
大きく初婚率を下げているのは20代である。最初に20〜24歳が落ち込み、2020年以降で25〜29歳が激減した。30〜39歳は2015年あたりを頂点として前後で増えているが、この時期だけ無子率は改善されていることがわかる。確かに、この時期は晩婚化という現象があった。しかし、直近では30代以上の初婚率も減少して2000年レベルと同等になっている。もはや晩婚化すらも起きておらず、20代も30代も無子化しているわけである。そして、一番大きな影響を及ぼしているのが20代初婚率の低下である。
次ページでは、各自治体が「婚姻数5%増」を目標に掲げるべき理由を詳述する。



