選挙で封印された物価高の根本原因
衆院選で主要政党がこぞって「消費税減税」を掲げる中、キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「消費税を下げるだけでは効果は小さい。物価高の主因はコメ価格の高騰なのに、政治もマスコミも争点にしないのは大問題だ」と警鐘を鳴らす。山下氏は、米価格高騰の背後に農業協同組合(JA)の市場支配力と政府の備蓄米政策の失敗があると分析する。
令和のコメ騒動の真犯人
2025年後半から続く「令和のコメ騒動」では、30キログラム当たりのコメ価格が前年比で約2倍に高騰。山下氏は、JAが史上最高値の「概算金」でコメを農家から買い取った結果、農林水産省も政府備蓄米として買い入れできない膠着状態に陥ったと指摘。この構造が需給を無視した価格高騰を招いたという。
エッグショックは序章に過ぎない
多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏は、卵の価格高騰(エッグショック)が一過性ではなく、構造的要因によるものだと解説。2025年12月には2023年6月のエッグショックを上回る水準まで卵価格が上昇。真壁氏は、飼料価格の高騰や円安、生産者の減少が背景にあり、今後も食料品全般に波及すると警告する。
コメ価格暴落のシナリオ
山下氏は「今年9月にコメ価格は暴落する」と断言。その根拠として、2026年産米の概算金をJAが劇的に引き下げざるを得ない状況を挙げる。現在の高価格帯では農水省が備蓄米として買い支えできず、需給バランスが崩れるためだ。消費者にとっては一時的な救いとなるが、長期的な農業政策の抜本改革が必要とされる。
物価高の構造的問題を理解することは、家計防衛の第一歩。政治やメディアが避ける「真犯人」に目を向け、今後の値動きを正しく予測することが求められる。



