高市早苗首相が「悲願」として先の衆議院選挙で自民党公約に盛り込んだ「飲食料品の消費税減税」の実現に、赤信号が点滅している。超党派で税制を審議する社会保障国民会議の実務者会議で、同減税への反対論が相次ぎ、結論がまとまらないからだ。
政府は同減税について、7月21日に閣議決定した「骨太の方針」に「本年8月上旬までを目途に、その方針を決定する」という文言を明記。高市首相は「衆院選での公約で、実現しなければ国民にウソをついたことになる」(側近)として、最終的に8月初旬までに飲食料品減税の断行を表明するとの見方が広がっている。
しかし、「自らが審議を委ねた国民会議を無視する形での決断は、政策決定の手続きから見ても、自己矛盾になりかねない」(国民会議の有力メンバー)という指摘もある。同会議の議長を務める自民党の小野寺五典税調会長の責任問題だけでなく、麻生太郎副総裁を筆頭とする自民党内の財政規律重視派との軋轢も顕在化しかねない。
減税決断で「8月上旬閣議決定」も
同会議は22日に国会内で開いた実務者会議で、中低所得の勤労者を支援する所得連動の新しい給付制度を2029年に導入するまでの「つなぎ」策について協議した。その中で来年4月から「2年間限定で飲食料品の消費税率を8%から1%とする」という与党案に対し、野党は改めて「年内の現金給付」を強く主張。意見集約は「極めて困難」(同会議メンバー)な状況に陥りつつある。
小野寺氏は記者団に「各党の意見にまだ差がある。できる限り一致させていきたい」として、与党の「1%案」への理解の取り付けに腐心する考えを強調した。
そうした中、与党内では「月内に示す中間取りまとめで、『1%案』に加えて野党の意見も併記する」という妥協案が浮上。これは、最終判断を高市首相に委ねようとするもので、「高市首相が減税断行を決断すれば、8月上旬にも閣議決定に持ち込む」(官邸筋)との筋書きだ。
「すべて背負わせて退陣」の陰謀案も浮上
しかし、党内では「高市降ろし」の動きも活発化している。財政規律重視派は減税による財源不足を懸念し、実現すれば首相の責任を問う声が強まる可能性がある。一部からは「減税を断行させた上で、その責任をすべて背負わせて退陣に追い込む」との陰謀案もささやかれている。
高市首相のリーダーシップが問われる中、今後の政局は予断を許さない。



