政府が食料品にかかる消費税を2年間に限って1%に引き下げる方針を閣議決定した。政策研究大学院大の飯尾潤教授(政策過程論)は、この決定の過程が日本政治の構造的な問題に通じていると指摘する。
「納得のできる決定」欠く
減税が決まるプロセスについて、飯尾教授は「よくないと思っています」と述べる。政策には課題の設定、解決方法の立案、決定、実施、評価があるとし、「政策決定というのは、ただ決めればいいのではなく『納得のできる決定』をすること。日本の政策決定に一番欠けているのは、なぜその決定をするのかということを明らかにすることです」と話す。
課題設定の議論なし
今回の消費減税についても「課題設定のところからきちんとした議論がなされていません」と指摘。いきなり減税は何%かといった結論から入っていたとし、「何のためにするのかが分からない」と述べた。課題が物価高対策であれば、手段を並べてどれがよいかという議論があるはずだという。
しかし唐突に選挙公約として消費減税が出てきたとし、「自民党内でも議論していないし、国民とも対話していない。高市早苗首相だけの責任ではなく、他の党もよくないと思います」と語る。本来は、日頃から国会の議論を通して各党の立場が煮詰まり、選挙までに各党とも有権者と対話して、有権者もこうなると分かった上で政策が決まっていくのが理想だと述べた。
国民会議の設置にも疑問
与野党による「国民会議」が設けられたことについては、国民会議をつくって議論を委ねることに疑問を呈している。



