令和7年度のふるさと納税寄付の受け入れ額について、市町村を除く奈良県分が4億7400万円となり、前年度(2億3700万円)の約2倍へ急増した。全国順位も19位から15位に上昇した。ポータルサイトの拡充や体験型返礼品の強化が功を奏した形だ。
県全体の受け入れ額は47億7300万円、順位は45位
総務省の現況調査によると、県と市町村分を合わせた県全体の受け入れ額は47億7300万円で、前年度の46位から45位へ順位を一つ上げた。市町村分は前年度比1.04倍の42億9900万円で、前年度の最下位(47位)を脱して46位となった。
県単体の伸び率(100.3%)は、全国平均(14.3%)を大幅に上回り、令和5年度からの2年間で5.4倍となった。
実質収支は赤字続く、市町村は黒字
住民税控除に伴う流出額(36億6900万円)から受け入れ額と国からの交付税による補填分を差し引いた実質収支は4億4300万円の赤字。マイナス幅は過去5年で最も小さいが、流出超の影響が続いている。市町村分の収支は、流出額(55億700万円)と交付税措置を考慮した実質収支が29億2200万円の黒字となっている。
受け入れ額自体は低水準だが、住民税の流出額も少なく抑えられているため、全体として受け入れ額が流出額を上回る「勝ち越し構造」となっている。
体験型返礼品の追加と文化財保全プロジェクト
受け入れ額増加の要因について、山下真知事は「ポータルサイトの契約数を大幅に増やしたことや、観光地である奈良の強みを生かした体験型返礼品を増やす戦略が当たった」と分析した。10月以降、世界遺産エリアのガイドツアーなど18件の体験型返礼品を追加する。
また、ポータルサイト「さとふる」において「奈良のふるさと文化財応援プロジェクト」の個人寄付受け付けを開始している。国宝・金峯山寺二王門の修繕など、所有者の自己負担が課題となっている文化財保全事業を指定して寄付を募り、県を経由して所有者へそのまま補助金として交付する仕組みで、個人向けには返礼品はない。対象事業は奈良県ホームページで確認できる。



